◼️権現岳と青年小屋の間がルートの核心部

しかし、この先の青年小屋へと向かう道中の景色もおすすめです。
権現小屋を越えて振り返ると、権現岳の岩峰が緑の中に突き出しているのが見えます。秋の紅葉時期も美しく染まりそうな光景ですね。

さらに進んで、ギボシと呼ばれる岩山の東斜面をトラバースしながら下るパートが、このルートの核心部です。鎖場が続く下りでは、落石に注意しながら慎重に進みましょう。

ここのパートを下りに使うと、権現岳から青年小屋までは1時間少々、登りに使うと1時間半ほどとなります。駐車場からひたすら登り続けてきた後、さらにここの登りが待ち受けていると考えると、なかなかのしんどさ。そのため、適度な稜線歩きを挟める反時計回りルートがおすすめです。
◼️体力次第で編笠山も欲張ってみよう

青年小屋でひと息ついたら、もうひと踏ん張りです。
選択肢は2つあって、編笠山の山頂を踏むなら、ここから山頂までは30分+駐車場までの下りが2時間半。山頂を巻いて下るルートも選べて、その場合は駐車場まで2時間ほど。自身の体力と時間に相談しながら決めましょう。

編笠山に登る場合、点在する巨大な岩の上を飛び越えながら山頂を目指します。この道の雰囲気も、ここまでにはないものなうえ、八ヶ岳の南端に位置する山頂からの見下ろす景色も乙なもの。体力に余裕があれば、登る価値があります。
周回ルートは丸一日に渡る長丁場ですが、ずっと景色や道の雰囲気が変わり続けるので、日帰りでも縦走をしたかのような満足感を得られるのが、このルートをおすすめする4つめの理由です。
初級者にはハードルが高いルートですが、山欲を持て余している中上級者なら、きっと楽しめるはず。天気にフラれてしまった時の予備案に、ぜひ検討してみてください。