長野県と山梨県にまたがり、八ヶ岳連峰の北側にある北八ヶ岳に属する蓼科山(たてしなやま・標高2,531m)。「日本百名山」と「新・花の日本百名山」に選出されている山だ。

 東京方面からのアクセスに優れ、車の場合は、中央自動車道・諏訪ICで降り、そこから約1時間半で七合目登山口に到着する。付近には無料駐車場があり便利だ。

 山頂に奥宮をかまえる霊峰として有名で、今回筆者が登った七合目登山口ルートには、登山口に蓼科神社の鳥居が設置されている。 

■苔に囲まれながら、蓼科山七合目登山口から天狗の露地へ

登山口から20分ほどのところにある「馬返し」

 9時頃に七合目登山口から登山スタート。最初は笹が出迎えてくれたが、10分ほど歩くと辺りには徐々に苔が増えてくる。更に10分ほど歩みを進めると、馬返しの看板が見えてきた。ここを通り過ぎると少しずつ登り坂となり、いよいよ本格的な登山となってくる。

北八ヶ岳の特徴である「苔」

 登山道の端には進入禁止のロープが張られているが、苔が群生している様子は登山道からも楽しめる。さまざまな種類の苔が生息しているので、苔図鑑などを持って蓼科山に登るのもおすすめである。

天狗の露地入口付近の看板

 事前知識がないと見逃してしまいそうな位置に、眺望がよい「天狗の露地」入口がある。この天狗の露地の入り口看板は、登山道の正面ではなく、登りの時は登山道右側にひっそりと立っているので、訪れた際には注意して歩いてほしい。

 わかりづらく感じたのは筆者だけではないようで、この看板付近で休憩をしていた登山者二人組は筆者が横を通って天狗の露地へと続く細道に入っていくのを見かけて「天狗の露地」の存在に気づいたくらいだ。

天狗の露地から見上げた蓼科山

 入口看板を通り過ぎ、細い抜け道を2分ほど行くと広い岩場に出る。ここが天狗の露地である。足元は岩のみなので、捻挫などには注意しよう。