■手の届きそうな富士山の大パノラマが待つ山頂へ!

●朝の湖畔から始まる静寂の縦走路! 山梨百名山・三方分山へ
県営駐車場に車を停め、道路向かいの登山口から登山開始だ。早朝の精進湖湖畔には、キャンパーの大小さまざまなテントが立ち並ぶ。朝日を受けて輝く湖面を横目に、静寂に包まれた山の中へと進む。森の中は、ひんやりと気持ちのいい空気だ。
序盤の登山道はゆるやかな傾斜で、しっかり整備されており歩きやすい。徐々に勾配がきつくなっていき、息をはずませながら進むことおよそ1時間、女坂峠に到着。ここは三方分山(さんぽうぶんざん)と五湖台(ごこだい)との分岐点となっている。五湖台(足和田山)も、富士山の絶景が楽しめる名山だが、今回は三方分山方面へと向かおう。
杉林の中をゆっくりと登っていくと、ときおり木々の切れ間から富士山が姿を見せる。約45分の登りを経て、標高1,422mの三方分山登頂だ。山頂には山梨百名山の標柱があり、山頂の一角は、展望用に開かれており、富士山の眺めを楽しめる。ここでしっかり休息をとり、次なる目的地・パノラマ台を目指そう。

●眼の前に迫るような富士山! パノラマ台の絶景を堪能!

休憩をとったら三方分山を後にし、尾根道を南へと進む。この区間はやや下り基調で、心地よい起伏が続く。歩きやすい縦走路で道幅も広めなため、つい足早になってしまうが、はやる気持ちを抑えて慎重に進もう。木々に囲まれた静かなトレイルは人も少なく、まるで森を独り占めしているかのような感覚を覚える。
途中で南アルプス方面の展望が開ける場所があり、一層気分が高まる。やがて精進峠の分岐点に到着。パノラマ台への登り坂に差し掛かる。傾斜はそれほど急ではないが、力を振り絞って登り切ると、突如として視界が開け、富士山が顔を出す。
その瞬間、目前に広がるのは精進湖と富士山の贅沢な共演だ。眼下には青木ヶ原樹海、振り返れば南アルプスの峰々まで一望できる。標高1,328mのこの場所は、名の通り360度のパノラマが楽しめる絶景スポットである。ベンチに腰を下ろすなどし、この空間を心ゆくまで堪能してほしい。
