登山やスキー、スノーボードなど、山の自然を楽しむアクティビティを趣味にもつ人であれば、一度耳にしたことがあるであろう「バックカントリー」。筆者は今回初めてエントリー層向けの「ビギナーツアー」に参加。自然相手だからこその起こりうるリスクや、事前に学んでおくべきことを体験レポートとして紹介する。
■バックカントリーの特徴と注意点

好天に恵まれたバックカントリーでは青空のもと壮大な景色を堪能しながら滑ることができ、降雪のあとには誰も踏み入れていないノートラックのパウダーランを楽しめる。しかし、大自然のなかで楽しむがゆえに、覚えておかなければいけないこと、事前準備が大切となる。
●天候や雪の状況、気温の確認
滑走ポイントまでハイク(=歩くこと)して向かうため、天気予報はもちろんのこと、気温や風速の確認も重要だ。山は天候が変わりやすく、雪のコンディションも変化する。当日晴れていればどこでも滑れるというわけではなく、前日までの降雪量や温度変化、その他さまざまな要因によって雪崩リスクも高まるのだ。
●山の地形の把握
夏山のように整備された登山道や目印はなく、土砂崩れにより穴が空いた箇所や雪の下に川が流れている沢の位置を一目で特定することも難しい。やむを得ずルート変更となる場合もあるため、危険箇所の回避など地形を把握しておく必要がある。
●装備と持ち物
バックカントリーに行く際は、滑走用のスキーやスノーボード、ヘルメットの他にも、登行の際に使用するギア(ストック、スノーシュー等)、万が一の事態が発生した際に使用するアバランチギア(ビーコン、ショベル、プローブ)、気温変化に対応するためのウェアとアクセサリー(防寒着、サングラス、替えゴーグルやグローブ)、夏山と同様にかかせない行動アイテム(飲料、行動食、地図など)とケアまわり(日焼け止め、工具など)。全てバックパックに収納し山を滑るのだ。
●同行者の滑走スキルと体調の把握
バックカントリーでは単独ではなく、少人数のパーティを組んで行動するのが基本。各々の滑走スキルや体力の違い、山についてどの程度知見があるかの確認が大切だ。当日の体調把握、お互いの緊急連絡先共有などができているとさらによい。