■なぜスキーにはチューンナップが必要なのか

「スキー板って、買ったままで使えるのでは?」、「滑っているときは不便を感じないし、わざわざチューンナップなんてしなくても」、このように考えているスキーヤーは少なくない。
実際、スキー板はチューンナップをしなくても、滑るだけであれば使えてしまうことが多い。だが、それはあくまで「最低限」の話であり、そう考えているスキーヤーは本来のスキー板の性能を体感できていないケースがほとんどだ。
スキー板は、滑走ごとに滑走面が傷つき、金属製のエッジは錆びや摩耗で劣化する。さらに保管状態が悪いと、滑っていない間にもコンディションはどんどん悪化する。それに気づかぬまま滑走すれば、スキー板は雪面で走らず、スムーズなターンもしづらくなってしまう。

また、シーズンオフの保管前にチューンナップを行っておくことは、スキー板を長持ちさせるうえで極めて重要だ。エッジに錆びが浮いたまま保管すると腐食が進み、次のシーズンに深刻な劣化として現れる。滑走面も酸化したワックスにより表面の劣化が進行してしまう。このようなトラブルを未然に防ぐためにチューンナップに出し、滑走面のクリーニング&ワクシングとエッジを研ぐ作業は重要なのだ。

チューンナップは「滑るための準備」であると同時に、「スキー板を守るためのケア」でもある。こうした視点からも、チューンナップはスキーライフに欠かせないプロセスといえる。
■スキーチューンナップの効果とは


チューンナップの効果は、単にスキー板の性能を「元に戻す」だけではない。知らないうちに忘れかけていた滑りの快感を取り戻すことにもつながるのだ。以下に、その代表的な効果を挙げる。
●1. スムーズに滑ることができる
チューンされた滑走面は、雪との摩擦が減り、直進性がより感じられる。
●2. 思い通りのターンが描ける
鋭く研がれたエッジは、雪面にしっかりと食い込むため、ズレない安定したターンが可能に。初級者にありがちな「雪面を捉えられずズレの多い滑り」といった悩みも軽減につながる。
●3. スキー板が長持ちする
定期的なメンテナンスは、スキー板の寿命を延ばすことにもつながる。シーズン終了後の保管前にチューンナップを施すことで、錆びや劣化を防ぎ、次のシーズンも万全な状態でスタートできる。