2026年冬季オリンピックの新種目「SKIMO」。スキーで雪の斜面を登り、滑る速さを競うウィンタースポーツだ。オリンピックを控えて注目が集まるなか、日本一の栄冠をかけて熱い闘いが繰り広げられた。

■オリンピックで注目を集めるSKIMO

テープや旗門で規制されたコースで競う「スプリント」。標高差は約70m

 2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ冬季オリンピックの実施競技に決まった「SKIMO(スキーモ)」。正式名称は「Ski Mountaineering(スキーマウンテニアリング)」と言い、雪山の決められたコースをスキーで登り、滑走し、その速さを競う競技だ。本場はヨーロッパで、冬季は毎週末、大小さまざまなレースが行われるほど人気が高い。

 SKIMOには、長距離種目の「インディビジュアル」や、登りだけの「バーティカル」などいくつかの種目がある。2026年の冬季オリンピックで採用されたのは、短距離種目の「スプリント」と「ミックスリレー」だ。どちらもゲレンデ内の斜面が使われ、比較的コンパクトな範囲に、シール登高・ブーツ登高・滑走といったSKIMOの要素を凝縮したコースが設定される。

■複合的な要素とスピード感! 見どころ満載の「スプリント」

道具の切り替え作業を行なうトランジットエリアでは混戦となることも
スキーを担ぎ“つぼ足”で登る区間では、脚力や心肺能力の高さが求められる

 2025年4月20日(日)、「スプリント」種目の日本選手権が、長野県山ノ内町の志賀高原横手山スキー場で行われた。日本選手権でスプリント種目が実施されるようになったのは第15回大会からで、今回で4回目の開催となる。

 なお、本大会で3位以内に入ると、来シーズンの日本代表選手の権利を獲得できる。来季のワールドカップ第1戦はオリンピックの最終選考レースのため、オリンピック出場を狙う選手にとっては大切な一戦となる。

 スプリントのコースはいくつかのセクションで構成される。大きく分けると、テープで規制されたコースをジグザグに登るシール登高区間、スキーを担いで登るブーツ登高区間、そしてポールが設置された滑走区間だ。各セクションの間には道具の切り替え操作を行なうトランジットエリアがあり、ここでの作業の速さもレースに大きく影響する。スピード感があり、様々な見どころがあるので、観戦するだけでも楽しい。