■花の多い山頂部

咲き始めのウコンウツギの花。スキー場のあるニセコアンヌプリを見下ろせる

 羊蹄山で高山植物などの花々が見られるのは、8合目より上部の山頂付近に集中している。花期は主に6月下旬から7月だが、頑張って登った後に出迎えてくれる花々は身も心も軽くしてくれる。固有種はないが、景色と共に楽しめる花々が広がっている。

 山頂部には大きなクレーターがあり、外輪をぐるりと回ることもできる。天気が良く、体力、技術に余裕があれば、外輪を一周してみるのも面白いだろう。

■羊蹄山登山の注意点

ヒラフコースの7合目。ちょっとした休憩スペースがある

 羊蹄山登山にはいくつかの注意点がある。まずは簡単に登れるだろうとなめてかからないことだ。地図をみると距離は短いのだが、問題になるのは標高差だ。平坦地のない、登りっぱなしの1,500mの標高差はなかなか厳しいものだ。

 そして天候の変化や体調にも注意が必要である。標高差が大きいので、麓と山頂の天候は大きく変わる。風が強い日、雲がかかっている時などは慎重に判断したい。夏場は熱中症にも気をつけよう。秋は降雪も早く、麓との気温差にも注意が必要だ。

 単調な一本道のように見えるが、山頂部の外輪は視界不良時には歩く道が不明瞭になる。過去にルート間違いによる遭難事故も起きている。これらはどのルートであっても、共通した注意点だ。体調管理や天候判断をしっかりとして、登山に臨んでほしい。