■西日本最大級の山城跡からの絶景

登山道を45分ほど登ると山頂に到着する。駅からここまでの所要時間はおよそ1時間50分。広々とした山頂からは大阪平野を一望でき、大阪市街のビル群やあべのハルカスまで見渡せる。この日はやや霞んでいたが、空気が澄んでいれば明石海峡大橋や淡路島までも見えるらしい。展望台に登れば、さらに広い景色が楽しめる。

低山ながらも眺望がよいのには、理由がある。山頂一帯は、かつて戦国時代の武将「三好長慶」の居城「飯盛城」があった場所で、西日本最大級の山城としても知られている。
また、南北朝時代には「四条畷の戦い」の古戦場にもなっており、現在も山頂周辺には山城の痕跡や楠正行(くすのきまさつら)公の像が残されている。歴史を感じさせる趣深い場所だ。
■270度視界が開けた場所で楽しむ、絶景山飯

飯盛山の魅力はまだある。山頂をいったん下って進んでいった先にある、曲輪(くるわ)跡だ。270度の視界が開けたこの場所には、丸太テーブルとベンチが用意されており、山飯を楽しむには、理想的なロケーションである。
この日は、フライパンやバーナーを持参して焼きそばを調理。「なんでこんなにおいしいんだろう」と娘は笑顔で焼きそばをほおばる。絶景がスパイスになり、いつものメニューがここでは最高の焼きそばになった。
■約3時間で非日常を満喫できる山(飯盛山・大阪)

下山は、もと来た道をのんびりと戻ってもよいし、早く下山したい場合は四条畷神社を通るコースが近道となる。筆者らは四條畷神社へつながるコースを選択。

このコースは急な階段が多い分、距離も短く、山頂から1時間ほどで四条畷駅まで戻れる。神社まで戻ってきたら、参拝して帰ろう。ここには、南北朝時代に活躍した、楠木正行と24人の将士が祀られている。
整備された道と手軽なアクセス、そして想像以上の絶景と遊び心あふれる登山道。登山初心者でも気軽に楽しめるこの山を、週末のリフレッシュに選んでみてはいかがだろうか。
【JR四条畷駅から周回コース】所要時間
JR四条畷駅(0:00)→ 四条畷神社(0:20)→ 滝谷楠水の場(1:05)→ 飯盛山(1:50)→ 眺望270度の曲輪跡(2:00)→ 四条畷神社(2:30)→ JR四条畷駅(2:50)
歩行距離:約6.7km
累積標高差:登り 440m、下り 440m
合計所要時間:2時間50分