■山頂はまだ冬景色!? 緑と白と青の狭間で

山頂部の雪原。緑と白と青、爽やかな景色に包まれました

 山頂は平らな雪原となっていて、まだ一面が白い世界となっていました。1,300m程度の標高でまだ雪景色なのは驚きです。対照的に山麓に広がる緑に季節の移ろいを感じます。

 ここは360度見渡せるパノラマ展望台。関田山脈が県境となっており、山頂のすぐ西側は新潟県です。北に延びていく山脈の先、日本海の明るいブルーはうっすらと霞む水平線で空の青さと同化するように交わっています。反対の東側もすぐに新潟県となります。津南や十日町の奥、越後の山塊がたっぷりと雪を残している様子が印象的でした。

 いっときは初夏に向かって気温がずいぶんと上がっていたのですが、このところやや肌寒い日が続いていました。取材日も天気はいいものの、吹き抜ける風にはやや冷たさを感じるときがあり、頂上付近ではウィンドシェルを着込みました。

■ブナの森の“ざらめ雪”を堪能!

樹間の開いた場所は“ざらめ雪”になっており、思いどおりのラインで滑走を楽しめました

 さて、下山は山スキーの醍醐味である滑走の始まりです。北向きの斜面を効率よくつないでのライン取り、程よく開いたブナの森をのんびりと滑り降りていきます。雪面はやや硬めでしたが、日当たりのいい場所は“ざらめ雪”となっており、ターンを刻むたびに緩んだ雪が小気味よく飛んでいきます。

 最後は樹間が大きく開いた末広がりの斜面をロングラン。車道近く、傾斜が緩やかになったあたりはやや“ストップスノー”でしたが、新緑の中へと飛び込むような爽快な一本でした。日に日に雪は減り、新緑は標高を上げていきます。夏が来る前にもう一度訪れたくなるような素敵な一日でした。

あっという間に歩き出しの入山地点へ。この辺りもすぐに新緑となるでしょう