梅雨時は湿度が高く、涼しい山とはいえ、登っていると汗が噴き出てきます。さらに今からやってくる、高温多湿な日本の夏山シーズンはとにかく暑い! 

 登山中は、背中が蒸れると不快に感じるだけでなく、体温が下がりにくくなり、熱中症のリスクが高まります。予防するには、背中に風が通る形状のバックパックが有効ですが、全てのバックパックに備わっているわけではありません。特に最近人気のU.L.系バックパックは、背中が密着するタイプが多く、蒸し暑い季節には向きません。

 そこで注目したいのが、モンベルから新たに発売された「V.B.P.バックパネル」なるギア。背中が密着するバックパックを快適にする、トランポリン構造の背面システムを追加するための画期的な製品なんです。

■後付けで圧倒的な通気性や背負い心地をプラス!

金属製フレームの張力でメッシュ生地をトランポリン状に張っている

 夏の暑さ対策として、背面を涼しくするカスタム用のパッドは古くから販売されていました。長距離運転用の通気する座席パッドを、登山用バックパックに取り付けてカスタムするアイディアもありました。しかし、どれも背中とバックパックの密着を極力少なくするためにクッション素材に変更する程度でした。

 しかし、モンベルのV.B.P.バックパネルはトランポリン機構を採用した新商品です。体に触れるのは通気性に優れたメッシュ部分だけなので、背面に設けた空間に風が通り抜けます。いくつかのバックパックで試してみましたが、圧倒的に涼しく快適に登山ができるようになりました。

■熱中症予防とパフォーマンス向上

密着するULバックパックに装着すれば、軽量かつ涼しいバックパックの完成

 背中の通気が良いことは、熱中症の予防につながります。特に長時間のハイキングや屋外活動を行う際には、通気を確保して体温を適切に管理することが重要です。

 真夏でも低山ばかりを歩いている筆者の個人的な見解になりますが、熱中症予防には頭部・頸部・背骨などの脊椎周りを涼しく、快適に保つことが重要だと思っています。休憩時には後頭部を冷やしたり、バックパックを下ろして背骨周りを冷やすようにしていますが、トランポリン機構は背骨周りに熱がこもりにくく、行動中もオーバーヒートしにくいと感じています。