4月中旬、急激に気温が上昇していますが、雪国などでは桜がちょうど満開だったり、これから見頃を迎える地域もあります。渓流釣りで訪れた岐阜県高山市では、里の桜は徐々に咲き出しており、おりしも「高山祭り」が開催されているタイミングでした。
フライフィッシングと伝統的な祭りの見物を楽しんだ2日間の模様です。
■屋台の巡幸、高山祭りを楽しんで

岐阜県北部、高山市ではちょうど高山祭り(春の山王祭)が催されていました。「屋台」と呼ばれる山車を曳いて街を巡幸する様子は迫力満点です。京都の「祇園祭」や秩父の「秩父夜祭」と並んで日本三大曳山祭や日本三大美祭の一つに数えられています。
ちょうどソメイヨシノが咲き出したばかりでやや肌寒かったですが、早咲きの桜と合わせて春の風情を感じつつ、観光客で賑わう街を散策しました。
日程にゆとりがあると釣り旅のついでに各地でグルメや温泉、歴史や文化を感じる時間を過ごすことができます。釣行と観光、“一粒で二度おいしい”ちょっと贅沢な気分を味わえました。
■福寿草咲く山里の渓

さて、肝心の釣りの方ですが、まずは宮川漁協が管轄する宮川の支流へと向かいました。
ときおり集落や田畑の間を抜ける里川の様相と、両岸を崖に囲まれた淵と瀬が連続する渓谷美、その両方を味わえる川です。山里のしだれ桜ですらまだ開花には時間がかかりそうな具合ですが、川岸には福寿草の花が鮮やかな黄色を輝かせていました。


透明度の高い流れ、大物の予感にウキウキした気分で流れに沿って遡行します。しかし、なかなか魚信を得られません。気温こそ13℃〜18℃と暖かいですが、雪解けで水量がやや多く水温は6℃台後半。魚たちの動きも悪そうです。車に戻り休憩していると、カゲロウがやって来て脱いだウェーダーに止まっています。もう少し粘ってみることにしました。

何箇所か探った後、別の支流へと移動しました。場所によってはひと跨ぎできるような細流です。何度か魚が顔を出してくれますが、川岸を覆う木々の枝先にロッドやラインが引っかかってうまく合わせることができません。キャスティングやドリフト自体は工夫しながらこなせるのですが、魚が出た瞬間だけは難しいものです……。それでも“何度目かの正直”でどうにか20cmほどのイワナをネットに迎え入れることができました。