■大菩薩峠からの絶景と至福の稜線歩き

大菩薩峠からの稜線歩きは今回紹介するルートの中で一番の見どころと言えるだろう。富士山の見晴らしも素晴らしいが、これから歩く稜線も美しく、至福の時間だった。

大菩薩峠から目指すのは「雷岩(かみなりいわ)」と呼ばれる場所で、その間は気持ちの良い稜線歩きが続く。標高2,000m付近になる稜線ではシェルジャケットがあると重宝する。樹林帯では暖かく感じたが、稜線は風が強く体感温度は低くなるため、防寒着を忘れずに携帯しよう。撮影スポットも多いので、ペースを落として風景を楽しみながら雷岩を目指したい。
雷岩からの景色はこれまでの広がりのある景色とは一変、荒々しい岩の向こうに富士山を望む、違った雰囲気を楽しむことができる。

■最高地点の「大菩薩嶺」は森の中で眺望なし

雷岩から大菩薩嶺までは10分もかからずに到着できる。今回のルートの最高地点であり、日本百名山の一座に選定される大菩薩嶺だが、標識があるのは樹林帯の中となっており、眺望はない。
初めて訪れる人にとっては記念に立ち寄ることで達成感を得ることができるが眺望がないため、何度か訪れたことのある人はわざわざ立ち寄らなくてもいいだろう。
下山は唐松尾根を利用し、福ちゃん荘まで行くことができる。時間に余裕のある人は稜線をもう一度歩き、景色を楽しみながら大菩薩峠経由で下山するのもいいだろう。
雪解けが進み、本格的な春の訪れとともに閉鎖されていた林道が開通し、見どころの多い山へのアクセスがしやすくなる。まずは日本百名山「大菩薩嶺」へと足を運んでみてはいかがだろうか。
積雪の状況により、林道開通の日程が変更になるため、出かける前にはしっかりと調べてから出発してほしい。
【上日川峠から大菩薩嶺ピストンコース】所要時間
上日川峠(0:00)→福ちゃん荘(0:30)→大菩薩峠(1:26)→雷岩(2:14)→大菩薩嶺(2:22)→福ちゃん荘(3:25)→上日川峠(3:50)
歩行距離:約7.1km
累積標高差:登り 591m、下り 589m
合計所要時間:3時間50分