■突然現れるミツマタ、そしてピーヤ!

樹林の中、本当に突然現れる黄色いミツマタゾーン!

 ミツマタの群生地は、都留文科大学の裏手に位置する樹林帯の中。登山道から一段あがったところで無数の花を咲かせ、ハイカーを待ち受ける。植物に興味の薄かったぼくは、こうした“花の群生”に身を置く経験を重ねながら、少しずつ植物が好きになっていった。足下で可憐に咲く小さな花もいいけれど、たくさんの花に囲まれるのは非日常的で本当に好きだ。

 例年、ミツマタの見ごろは3月の春分の日の前後。行ってみようと思う人は、その前の週から開花情報についてアンテナを張っておこう。もちろん年によって満開のタイミングが多少前後するけれど、今年が当たり年になることを願っている。

目の前に現れた謎の建造物こそが噂のピーヤだ

 都留アルプスを代表するもうひとつの名所が「ピーヤ」である。これは大正9年(1920年)に造られた鍛冶屋坂水道橋のことで、アーチ形の橋の真下で手を叩くと「鳴き龍」が聞こえる。この見事な反響音を、ぜひとも体験してほしい。

■逆回りで歩くこともできるが……

 今回のコースは、逆に都留市駅からスタートすることもできるし、途中の駅を利用して短いコースにすることも可能。それでもぼくが都留市駅をゴールにする理由は、駅前に日帰りの温泉施設があるからに他ならない。気温が上がる季節だし、帰宅前に汗をさっぱり流したい。

 締めくくりは、大月駅で途中下車し、町中華で一杯やるのがぼくの鉄板コース。いまこの原稿を書きながら、今年も行こうかという気分になってきた。読者のみなさんとバッタリ! もあるかもしれない。

<低山トラベラー厳選。都留アルプス周辺の立ち寄りスポット>
【日帰り温泉】都留市駅前にある「より道の湯」。なんとここは宿泊もできる
【町中華】大月駅近くの町中華「宝来軒」がとにかく最&高
【地元カフェ】大月駅前の「月cafe」が個性的で好き
【地元カフェ】ちょっと移動するけれど、禾生駅近くの「cafe織水_orimizu」が素敵
【滝巡り】東桂駅なら「太郎・次郎滝」が見事!
【滝巡り】十日市場駅なら「田原の滝」が見事!