■隠れ観光スポット丹波国分寺跡から牛松山を見上げる



愛宕神社から西へ徒歩15分、約900mのところに国史跡に指定されている丹波国分寺(こくぶんじ)跡がある。ここから見上げる牛松山の山容は美しい。
丹波国分寺は奈良時代に聖武天皇の詔によって建立された国分寺の一つ。この辺りは田んぼだらけだが、少し北には国衙(こくが)もあったらしく、当時は丹波国の中心地として栄えていたらしい。国衙とは今でいうところの県庁みたいなところである。



戦国時代に丹波国分寺は明智光秀の丹波攻めによって全焼させられた。丹波で京都にもっとも近いこの地は、真っ先に老ノ坂(おいのさか)峠を越えてきた明智光秀の標的にされてしまったのである。その後、明智光秀は亀山城(現在、亀岡市荒塚町)築城に際して、国分寺の石仏などを城の石垣にしてしまったらしい。こうして丹波国分寺は衰退してしまったのである。
現在、丹波国分寺跡にある山門や本堂は、江戸時代後期に再建されたもの。本堂周辺は解説板とともに僧坊跡などが広がっており、大寺院であった面影が残る。
また丹波国分寺跡で目を引くのは、気根が垂れ下がった大イチョウ。触ると母乳がよく出るようになるというご利益があるらしい。ムクノキの大木もあり、真下から見上げると迫力がある。
牛松山登山とあわせて、ぜひ訪れたいスポットだ。
■牛松山に行こう!


牛松山へのアクセスは、公共交通機関を使っても比較的容易。JR亀岡駅から京阪京都交通のバスに乗り、8分程度で国分停留所に到着する。停留所から愛宕神社までは徒歩約4分だ。JR亀岡駅から愛宕神社まで歩いても3.5kmで、1時間もかからない。



愛宕神社から牛松山山頂(標高629m地点)まではおよそ1時間半、牛松山から金刀比羅神社まではわずか5分程度である。登山ルートは全体的に急登が続くため、多少体力は消耗するが、道はわかりやすい。また、愛宕神社から丹波国分寺跡も近いので、ぜひ訪れてほしい。
牛松山は、知れば知るほど京都の魅力が深まるスポット。京都の新たな一面を発見できるはずだ。