■激しいデッドヒートが繰り広げられた“シニア男子”

 シニア男子部門では、宮津旭、平林安里がトップを競り合う形となった。登りが強い宮津、滑走が得意な平林。それぞれの持ち味を生かして抜きつ抜かれつを繰り返したが、最終的には宮津が平林を振り切ってゴールした。なお、この両名はともにMTBの日本代表選手でもあり、夏季と冬季で異なる競技に取り組むマルチスポーツ選手である。

 3位と4位も、藤川健と小寺教夫が手に汗握る展開を繰り広げた。藤川健は、過去に日本選手権7連覇し、特に滑走技術の高さは他の追随を許さないものがある。小寺教夫は、日本人として初めてワールドカップ全戦出場するなど先駆者的存在のひとりで、海外経験により実力を伸ばしている。前半は小寺がリードしたが、後半に藤川が追い上げ、小寺を抜いて3位となった。

シニア男子優勝の宮津旭。登りでの強さを見せつけた
シニア男子2位の平林安里。得意の滑走セクションで攻める
シニア男子3位の藤川健。非圧雪でもキレ味のある滑り

■スカイランニング出身の新星も表彰台に上がった“シニア女子”、ユース部門の参加も増えて次世代に期待

 シニア女子は、滝澤空良が安定したレース運びで優勝を飾った。滝澤は2022年第15回大会のインディビジュアル・スプリントで2冠を達成し、ここ数年は日本代表選手として海外でも活躍中。2位は初出場の林楓。スカイランニングの全日本チャンピオンという期待の新星だ。3位は昨年からSKIMOに取り組む青木聖美で、今シーズンは日本代表選手としてワールドカップなど海外でも経験と実績を積み上げている。

シニア女子優勝の滝澤空良。豊富な経験を生かし、安定したレース運びで他の選手を抑えた
シニア女子2位の林楓。SKIMOへの参戦により今後の女子の勢力図が変わる予感も
シニア女子3位の青木聖美。伸び盛りで将来有望な選手のひとり

 今大会で目立ったのは若手世代の活躍だ。ユース男子部門は参加者も7名と増え、次世代が着実に育っていることを感じさせた。結果は、ユース男子は笹川勇太が昨年に続き優勝して2連覇。ユース女子の優勝は田邉美藍、ジュニア男子の優勝は滝澤漣だった。