■みんながイメージする“北海道”らしいトレイル

これぞ北海道、な景色が待ち受けている

 世界自然遺産知床の海、斜里岳の裾野に広がる広大な畑作地帯、日本一大きい屈斜路カルデラ、釧路川流域の山肌に広がる酪農地帯、日本最大の湿原。ひがし北海道エリアには、我々がイメージする北海道らしい壮大な景観が広がっています。その大自然の中を歩きながら、自然と共にある人々の暮らしや、積み重ねられた歴史や文化を覗き見できるのは、このトレイルならではの魅力でしょう。

バリエーション豊かな大自然の中を歩くことができる

 運営事務局長を務める荻野さんにトレイルの状況について伺うと、「道は概ね歩きやすく、舗装区間もありますが、周りは北海道の雄大な自然風景が広がり、自然と人の営みの間を、野生の動植物に出会いながら歩くことができます。登山道や自然歩道区間には最近新たに整備された区間もあり、これまで見ることができなかった角度から、景色や自然を楽しめるのもポイントです」とのこと。

登山好きにおすすめなのは藻琴山周辺

 登山好きには、特に屈斜路湖外輪山や摩周湖外輪山のパートがおすすめだそうです。中でも、屈斜路湖外輪山のピークのひとつ藻琴山は、津別、美幌、大空町、オホーツク海、知床連山、釧路方面とトレイル全体を見渡すことができる絶景スポットなのだとか。この景色は、一度見てみたくなりますね。

■スルーハイクするには早くて2週間が必要

山だけでなく、海や湖も楽しめる

 一度でスルーハイクするには、歩く季節や体力にもよりますが、早くて2週間、寄り道を含めると20日間ほど必要になります。周辺の3つの空港からのアクセスも良いため、歩きたいパートを絞ったセクションハイクも、もちろん可能です。交通の不便なところがあるので、極端に長く歩く日や短く歩く日も出てくるでしょう。行動時間の凸凹具合を楽しめるくらい、日数と気持ちにゆとりを持って計画を組むことをおすすめします。

街に下りた日は海の魅力も味わい尽くそう

 ちなみに、例年であれば、雪が溶けて歩きやすくなるのは6月中旬以降。山岳エリアの一部ルートは6月上旬まで閉鎖されます。北海道も夏は暑い日が増えていますが、それでも過ごしやすさは本州とは段違い。反対に、春から初夏、秋から晩秋にかけては、本州とは異なる寒暖差や寒さがネックとなるので、計画時期については注意が必要です。雪解け具合やヒグマ、ダニ、アブ情報など、公式サイトで最新の状況を確認しながら計画を立てましょう。

 日本とは思えないほど、スケールの大きい新たなトレイル。今年の長期休暇の旅先は、ここで決まりでしょう。