この数年、いつ開通するかと注目が集まっていた新しいロングトレイル「北海道東トレイル(ほっかいどうひがしとれいる)」が、昨年秋に待望の全線開通しました。
残念ながら、冬の間は深い雪に閉ざされて歩くことはできません。そこで、雪解け後の長期休みの旅先候補として、ひと足早く妄想トレーニングをしておきたい方々のために、その開発背景とトレイルとしての特徴を紹介します。
■14の市町村を南北に縦断する構想
トレイルの構想がスタートしたのは、2021年2月まで遡ります。日本の国立公園を世界水準の“ナショナルパーク”としてブランド化することを目標にした「阿寒摩周国立公園満喫プロジェクト」の一環として計画が始動。官民が連携して検討が重ねられ、釧路市から羅臼町まで、ひがし北海道エリアの14市町村を南北に縦断する全長約410㎞に渡る、長大なトレイルが構想されました。
最大の特徴は、知床、阿寒摩周、釧路湿原の3つの国立公園と街を繋ぐルート設計にあります。実際に具体的な計画を立ててみると、地域に長期滞在しながら、ゆっくりと歩き旅を楽しみ、国立公園の大自然を満喫してもらおうという設計に関わった人々の意図がよくわかります。
北海道と環境省が計画した北海道自然歩道のルートも活用し、海外のトレイルを経験したことのあるハイカーたちが実際に全線を歩き、ルート設計に参加しているのも特徴のひとつです。