●おたつ石コースで歴史ある茶屋跡を経て、女体山山頂へ!
標高500m地点のつつじヶ丘駅から女体山を目指す定番の登山道、おたつ石コース。ノアザミなどの草花が見られる草原から、徐々にアカガシやブナの天然林へ。植生の変化も魅力のひとつ。
ちょうどロープウェイの真下を歩くような格好なので、頭上をスイスイ進んでいくロープウェイが少しうらやましいが、自分の足で登頂してこそのご利益もきっとあるはずだ。
しばらくすると、弁慶茶屋跡と名のつく白雲橋コースとの合流地点に到着。弁慶茶屋とは、270年もの長きに渡り営業を続けてきた歴史ある茶屋だが、惜しまれつつも2006年に閉店。現在ではハイカーの憩いの場として、新しい東屋が建てられている。
弁慶茶屋跡からさらに進むこと約40分。標高877m、筑波山最高峰・女体山山頂に到着だ。山頂からの展望は抜群で、南側には霞ヶ浦、そこから西側に目を移すと、都心のビル群から丹沢、富士山、奥多摩、秩父の山々、さらには浅間山などを望むことができる。
山頂は岩肌むき出しで、柵なども設けられていない。景色に夢中になって足元への注意が疎かになると大変危険だ。注意してほしい。
●筑波山の2峰をつなぐ「山頂連絡路」で男体山本殿に参拝!
女体山と男体山の2峰をつなぐ山頂連絡路。女体山を後にし、連絡路に沿って下っていくと道中には、大きな口を開けているように見える「がま石」や縁結びの神様が宿るとされる「せきれい石」など、ハイカーを楽しませてくれる奇岩と出会える。
しばらくすると、ケーブルカー山頂駅のある御幸ヶ原(みゆきがはら)に到着。疲れた体のハイカーを誘惑する魅力的なのぼり旗を掲げる茶屋がたくさんある。
観光客も大勢訪れるにぎやかなエリアだが、冬季は凍結に注意が必要なので、しっかりと装備を整えて出かけてほしい。
軒を連ねる茶屋の先に見えるのが男体山。少し急な登りになるが、最後のひと踏ん張りだ。山頂に建てられた本殿にお参りしたら、裏手が展望スペースになっているのでそちらで景色を堪能しよう。遠くに富士山も見渡せる関東平野が広がっている。
帰路は男体山から御幸ヶ原まで戻り、ふもとの筑波神社まで歩いて下るもよし、ケーブルカーで楽ちん下山ももちろんよしだ。
●冬ならではのお楽しみ! 山頂からの夜景見学のススメ
今回は、冬季でも降雪の心配が少なく登山が楽しめる筑波山を紹介した。さらにもうひとつ、この時期ならではの筑波山の楽しみ方があるので紹介したい。それは、ロープウェイを利用した夜景見学だ。
例年10月から2月頃までの土日祝、筑波山では「スターダストクルージング」と題して、夜間運行を行っており、山頂からの夕日と関東平野の広大な夜景を楽しめる。都心のビル群や東京スカイツリーも見ることができるらしい。
ただし、強風や悪天候による運休の可能性もあるので、出かける際は事前の情報収集を忘れずに。また事故防止の観点から、片道のみの切符販売は行っていない。ルールを守り、安全に夜の空中散歩を楽しんでほしい。