2023年秋、清水寺、金閣寺、永観堂など有名な寺院を訪れることを目的に、1泊2日で京都観光へ。せっかくなので紅葉登山もしたいと考え、山を探していたところ、比叡山(ひえいざん)が思い浮かび、登ることにした。
比叡山は滋賀県大津市と京都府京都市にまたがる標高848mの山で、ケーブルカーとロープウェイ、車、バスでも登ることができる。
また、天台宗の総本山「延暦寺」があることでも有名な山だ。厳密には、大比叡(だいひえい)と四明岳(しめいがたけ)の2つのピークから成る双耳峰の総称となる。
徒歩で比叡山へ登り、下山はケーブルカーとロープウェイを使った。その時のルートや道中の景色を紹介する。
■麓からの登山ルート
登山の起点となるのは、春は桜、秋は紅葉の名所として有名な「哲学の道(北端)」。銀閣寺と南禅寺(正確には若王子神社)を繋ぎ、かつて京都の哲学者、西田幾田郎(にしだきたろう)が毎朝、思いに耽りながら歩いたとされ、その名がつけられた。
10分ほど住宅街を歩き、大山祇神社(おおやまづみじんじゃ)を過ぎて参道へ入る。
登山道の傾斜は緩やかで、尾根に出るまでは深い谷のある森の中を道なりに進むことになる。尾根に出ると、足元が落ち葉と土で覆われた路面が歩きやすい。このあたりから時折紅葉が見えるようになる。登り始めから約1時間15分、細かい山を4つ越えたところに高度感のある見晴らしのよい絶景ポイントがある。
この絶景ポイントは遮るものがなく視界いっぱいに広がる京都市街と、街を囲むかのようそびえる山々を一望でき、更に真下には紅葉した木々が広がる場所なのでゆっくり景色を堪能したい。
■比叡山中腹で見下ろす、京都市街紅葉と空のコントラスト
前述の絶景スポットから約40分なだらかな林道を進み、てんこ山を過ぎたところの石鳥居を抜けると階段が現れる。
石鳥居から約35分、階段を上り続けると、前述の絶景スポットよりもさらに高い位置から見下ろせるポイントに出る。
左奥には雲海に浮かぶ愛宕山と視界いっぱいの京都市街北部、真下には市街に流れ込むかのように紅葉した山肌、頭上にはどこまでも続く青い空と雲が晴々と広がっていた。
■山頂駐車場から眺めてわかる琵琶湖の大きさ
登山開始から3時間15分で、山頂の駐車場へ到着。駐車場はとても広く、観光バスが何台も停められ、自動車も50台は停められるほどの広さだ。
ここからは琵琶湖、滋賀県市街、京都市街、北には北良連峰、京都北山を見ることができる。琵琶湖は比叡山の山頂で遮られてしまうがそれでも南北の展望にすぐれ、終わりの見えない琵琶湖の大きさに驚く。比叡山の最高地点である848mの看板と三角点は、ここから10分ほど歩いたところにある。