■切羽詰まったクマに要注意
『人を襲うクマ―遭遇事例とその生態』記載の仮説から、クマと人間との遭遇事故は未然に防げる場合もあるはずだ。クマが人を襲う理由の99%以上が防御的攻撃であり、ばったり出遭わない限り、基本的にはクマが人間を避ける。
しかし、食物が不足する年は、食物を探し回るためクマの行動圏は大きくなる傾向にあり、普段クマが出没しないような場所でも遭遇しやすくなるだろう。
つまり、冬眠前の食欲亢進期に食物が不足しているとなれば、いつも以上に注意が必要なのだ。
クマの被害を防ぐには、クマに遭わないことが重要であり、山に入る際は熊鈴や音の出るものなどで人間の存在を知らせることが肝心だ。
涼しく歩きやすい秋の山。クマとばったり遭遇しないよう、細心の注意をはらいながら楽しみたいものである。
参考文献:『人を襲うクマ―遭遇事例とその生態』(羽根田治著)
参考資料:クマ類の生息状況、被害状況等について
参考資料:R6年度におけるクマ類による人身被害件数(速報値)
※この記事の情報は2024年10月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。