■10月中旬に釣行。アカムシ餌で小ブナが連発!
今回、筆者が小ブナ釣りに向かった先は霞ヶ浦(西浦)の北部エリア。事前にGoogleマップを使い、ハス田が多く、さらに駐車スペースも確保できそうな場所をいくつか見当をつけておいたのだ。
現地に到着してさっそくホソの様子を覗いてみると、いきなり水中に土煙があがった。魚が人の気配に驚いて慌てて逃げ出したのだろう。水の濁りのため姿は見えなかったが、おそらく20~30cmクラスのコイかフナ。彼らがいるということは小ブナたちもきっといるはずと読んで釣りの準備に取り掛かった。
この日使用した仕掛けは、タナゴ釣り用の連動シモリ仕掛けでエサは生きたアカムシを使用した(タックルや道具の詳細については後述する)。ホソの水深は20cmほど。フナはよく川底にあるエサを探す習性があるので、ウキ下は低層を探れるようにセットして仕掛けを投入した。
するとどうだろう、仕掛けが水になじんでから10秒も経たないうちに勢いよくウキが沈んだではないか。釣れた魚は5cmサイズの本命の小ブナだった。
もし仕掛けを入れた場所に小ブナがいれば、すぐさまそのエサに食らいつくというのが秋の小ブナの特徴である。もしウキに30秒以上変化がないならば、そこには魚がいない可能性が高い。再度同じ場所に仕掛けを入れ直すかあるいは、投入ポイントを20~30cmずらすなどして、短いサイクルでテンポよく広範囲を探っていくのが釣果を伸ばすコツである。
この日はホソにかかる小さな橋の下や水生植物周り、ハス田からの水が落ちる放水パイプ口の下など、何かしら変化のある場所を中心に短時間で何度も場所移動を繰り返しながら探っていった。するとこの作業が功を奏したのか、小ブナが連発して釣れることが何度もあった。
それにしてもこんなに川幅が狭くて浅い水路にいったいどれだけ多くの魚が住んでいるというのだろう。この釣りをしていると、ホソは小魚たちにとっての「ゆりかご」だといわれている理由がとてもよく分かる。
当日の釣果は以下の通りで本命のフナは36匹(実釣時間はおよそ3時間で3か所のホソを探った)。釣りあげた魚たちはすべて元いたホソに返してやった。
・1か所目のホソ:フナ15匹、コイ4匹、クチボソ10匹前後、モエビ数匹
・2か所目のホソ:フナ4匹、途中からクチボソしか釣れなくなったため、早々に次のホソへと移動
・3か所目のホソ:フナ17匹、コイ1匹、クチボソ10匹前後、モエビ数匹
使用したタックルと道具は以下のとおりである。
【筆者の使用タックル】
ロッド:淡水小物竿 長さ2m
仕掛け:市販のタナゴ釣り用のセット仕掛け(連動シモリ仕掛け)
予備のハリ:タナゴ針、袖針1~2号など
エサ:生きたアカムシ(ユスリカの幼虫)
【あると便利な道具】
小物用の針外し:魚に触れず針が外せる
エサ入れ:アカムシが乾燥するのを防ぐ
水汲みバケツ:釣った魚を生きたまま一時的に入れておくもの
エアーポンプ:水汲みバケツに入れた魚に酸素を供給するポンプ
小型の観察水槽:釣った魚を横から観察できる
手洗い用の水:ペットボトルに水道水を入れて用意
タオル:濡れた手を拭くために使用
■爽やかな秋空の下で、小ブナ釣りを楽しもう!
今回、釣り人のあいだで古くから親しまれている秋の釣り物のひとつ「小ブナ」釣りを楽しむために霞ヶ浦のホソを訪れた。この釣りは高い釣りのテクニックや高価な釣り道具などなくても、初心者でも簡単に数釣りが楽しめるところが最大の魅力だ。
ただし、探るホソによって魚影の濃さに当たり外れがあるのも事実である。もし期待していた釣果が得られなかった場合は、そのホソには早めに見切りをつけて別のホソへと移動するのが得策。自分は今宝探しをしているのだと割り切って、ぜひ自分だけが知る最高のホソを見つけてもらいたい。これもこの釣りの醍醐味である。
すっきりと晴れ渡った秋空のもと、日本の原風景であるハス田を前にのんびりと釣り糸を垂らしている時間は本当に最高である。次の週末あたり、皆さんも秋の小ブナを釣りに霞ヶ浦に出かけてみてはどうだろうか。
【注意事項】
霞ヶ浦周辺のハス田ではこれから年末にかけてレンコンの収穫が最盛期を迎える。農作業用の軽トラックや小型重機の出入りが頻繁になるので、釣り場近くに車を停める際には農作業の邪魔にならないようくれぐれも注意しよう。もちろん釣り場でのゴミのポイ捨てなども厳禁である。
霞ヶ浦・北浦では湖の堤防外にあるホソでの釣りは遊漁券が不要。ただし、桜川、常陸川、新利根川など一部の流入河川で釣りする際は遊漁券が必要になる。