神の宿る山として、鞍馬天狗(くらまてんぐ)や源義経(みなもとのよしつね)の伝説が残る「鞍馬」から、神秘的なパワースポットとして知られる「貴船(きぶね)」までは、美しい紅葉が楽しめる約1〜2時間のハイキングコースだ。
今回は、京都の奥座敷、鞍馬・貴船を散策した体験をレポートする。
■鞍馬から貴船まで、紅葉ハイキング
●出町柳駅から鞍馬へ
京都市の叡山電鉄(えいざんでんてつ)鞍馬線・出町柳(でまちやなぎ)駅から約30分で終着駅・鞍馬駅に到着する。駅を出ると、大きな天狗のオブジェが出迎えてくれる。
鞍馬にある標高584mの「鞍馬山」には、鞍馬天狗が棲むという伝説が残っている。鞍馬山の中にある「鞍馬寺」は、奈良時代末期の770年に鞍馬山に毘沙門天が祀られたことを起源とする。
●「仁王門」をくぐって、鞍馬寺を散策
鞍馬駅から少し歩くと鞍馬寺の「仁王門」が見えてくる。この門は、俗界から浄域への結界とされており、仁王門前には狛犬ではなく寅が左右に鎮座している。本尊の一つである毘沙門天の使いが虎とされているためだ。
仁王門から先は、ほとんどが未舗装の山道となる。門をくぐると、ケーブルカーの駅がある。鉄道事業法による許可を受けた鉄道として唯一、宗教法人が運営するケーブルカーだ。山門駅から多宝塔駅までの乗車時間は約2分。足に自信がない人は利用するとよい。
ただしケーブルカーに乗ると、くねくねと曲がりくねった「九十九折(つづらおり)参道」のルートからは離れてしまうため、参道の途中にある「由岐(ゆき)神社」には行けない。山道を歩ける人はケーブルカーを使わずに歩こう。
九十九折参道の途中にある由岐神社は、平安時代の940年に始まり、1607年に豊臣秀頼によって本殿と拝殿が再建された。拝殿は国の重要文化財に指定されている。
●本尊が祀られる「本殿金堂」
九十九折参道を抜けると、鞍馬寺の「本殿金堂(ほんでんこんどう)」がある。源義経が幼名・牛若丸だった幼少期を過ごした寺として知られる。本尊が祀られており、パワースポットの一つでもある。
本殿金堂前の「六芒星(ろくぼうせい)」の石床には、宇宙のエネルギーが降臨するという。
本殿金堂前には仁王門前と同様に、狛犬ではなく虎が配置されている。
本殿金堂前からは山々の美しい景色を見渡せて、ホッとひと息つける。