「戦場ヶ原」といえば、四季折々の自然の移り変わりを楽しめ、日光を代表する名峰「男体山」を背景に、広大な湿原を気持ちよくトレッキングできる場所。 

 今回は朝霧の立ち込める、静かで幻想的な早朝の戦場ヶ原を紹介する。

■奥日光に広がる日本有数の湿原「戦場ヶ原」

戦場ヶ原は約400ヘクタールにも及ぶ広大な湿原

 戦場ヶ原は栃木県日光市に広がる日本有数の湿原で、約350種類にも及ぶ植物が自生し、観察できる野鳥の種類が多いことでも知られる。標高は1,390mで、「奥日光」と呼ばれる自然の豊かなエリアにある。

 湿原の周りは木道が整備され、2時間ほどで歩けるハイキングコースになっている。

木道が整備されていて歩きやすいハイキングコース

【戦場ヶ原 自然研究路 周回コース】所要時間
赤沼バス停 (0:00) → 赤沼分岐(自然研究路入口)(0:05) → 展望台(0:20) → 青木橋 (0:30) → 分岐 (1:00)→ 分岐(1:15) → 分岐(1:30) → 歩道分岐(1:50) → 赤沼分岐(2:00) → 赤沼バス停(2:05)

歩行距離: 約6.5km
累積標高差: 登り 86m、下り 86m
合計所要時間: 2時間05分

「自然研究路」を通って、湿原や森の中を歩く緩やかなコース(国土地理院地図より引用)

■早朝の戦場ヶ原で朝霧を望む

明け方の戦場ヶ原。木道の脇を静かに流れるのは湯川(ゆかわ)

 朝霧とは、早朝の冷たい空気に冷やされた水分が、水蒸気となって発生する霧のこと。豊かな水を貯えた戦場ヶ原は朝霧が出やすい条件が揃っているといわれている。

朝霧が立ち上る戦場ヶ原
朝霧が立ち上る戦場ヶ原

 朝霧は、空がうっすらと白んでくる明け方が観察しやすい。あたりが明るくなりはじめると、立ち上る朝霧が見えてくる。朝霧のかかった夜明け前の様子は、ぼんやりとして色のトーンも低く、神秘的な景色となる。

 気温が上がってくると消えてしまうため、見られるのは太陽が昇るまでの数十分から1時間ほど。雲海よりも出現率が高く、特に9月から11月は昼と夜の寒暖差が大きくなり、それに伴い水面と空気の温度差も大きくなるため、朝霧が出やすい時期となっている。

朝霧が晴れた後の朝日が差し込む戦場ヶ原を散策するのも楽しい

●【MAP】戦場ヶ原(日光国立公園内)

戦場ヶ原(日光国立公園内)
所在地:栃木県日光市中宮祠
問い合わせ:日光市観光協会
TEL:0288-22-1525