奥秩父山塊(おくちちぶさんかい)は東京、埼玉、山梨、長野の1都3県にまたがり、2,601mの北奥千丈岳(きたおくせんじょうだけ)を最高峰に2,000m級の山々が連なっている。東京都の最高峰としても知られ、日本百名山の一座として名を連ねる雲取山(くもとりやま・標高2,017m)や、同じく日本百名山の甲武信ヶ岳(こぶしがたけ・標高2,475m)、金峰山(きんぷさん・標高2,599m)、大菩薩嶺(だいぼさつれい・標高2,057m)などが奥秩父山塊に属しており、山域が広く、関東山地の中心をなしている。
今回は奥秩父山塊を代表する山、瑞牆山(みずがきやま・標高2,230m)を紹介したい。瑞牆山は日本百名山だけでなく、山梨百名山や甲信越百名山などにも選ばれていて、山全体が花崗岩(かこうがん)で構成されており、その山容は他にはない特徴的な山だ。
そんな瑞牆山へ日帰りで登る周回ルートを紹介する。
■みずがき山自然公園から青々したミズナラの樹林帯を抜けて富士見平小屋へ
今回紹介するコースの起点となるのが「みずがき山自然公園」だ。無料で利用できる駐車場があり、トイレも設置されている。キャンプ場も併設されており、登山者だけでなく、ツーリングを楽しむライダーやキャンパーも多く賑わう。
瑞牆山は日帰りが可能な山であるが、 紹介する周回コースの所要時間は約6時間30分ほどで、高低差の大きな岩場区間もあり、体力を要する。岩場登りは得手不得手によって時間に違いがでるので、行動時間には余裕をもっておきたい。
みずがき山自然公園から富士見平小屋までは約1時間30分。青々としたミズナラの樹林帯の中を歩く。
ほどよい日光が差し込む明るい樹林帯をアップダウンを繰り返しながら歩き、徐々に急になってくる登りを進むと、木々の向こうに小屋が見えてくる。
富士見平小屋から瑞牆山の核心部はさらに登りが急になり、急登区間となるのでここでしっかりと休憩をとり、呼吸を整えてから進みたい。