スキーをしない人にとって、雪のないシーズンのスキー場ほど謎に包まれた存在はないかもしれない。そんな、スノースポーツに縁のないライターが思わず感動した新潟・南魚沼の「ザ・ヴェランダ石打丸山」の絶景とグルメを紹介する。

■標高550mから見渡す日本の原風景

秋の収穫シーズンには黄金一色に染まる米どころ「南魚沼」を見渡せる

 「大自然の絶景で気分転換できる場所って、どこ?」

 秋分の日も近いのに猛暑日が続く毎日、積もり積もったストレスを日帰りドライブで解消しようと編集部に尋ねたところ、「新潟の石打丸山スキー場がグリーンシーズンに営業する“ザ・ヴェランダ石打丸山”が気持ちいいよ」という情報をキャッチ。

 私事だが…… 筆者が小学校時代に初めてスキーを体験したのも石打。ところがスキーはそれっきりで縁がなく、スキー場の夏仕様“グリーンシーズン”という言葉も初めて知る始末。

 「雪がないスキー場って、楽しいの?」とやや疑問を抱きつつ、都心から関越道をひた走り、数十年ぶりの石打に向かうことに。谷川岳サービスエリアの手前までは土砂降りの雨だったものの、関越トンネルを抜けた途端に嘘のように新潟の空には快晴が広がる好天に驚かされる。

ゴンドラのチケットやお土産ショップを併設している麓のリゾートセンターが玄関口「こんな立派な建物ができたの!?」と隔世の思いでパシャリ

 そして塩沢石打インターを降りておよそ5分で今回の目的地である、新潟の石打丸山スキー場の麓にある「リゾートセンター」に到着。グリーンシーズンは駐車料金が無料というのも地味に嬉しい。

 山頂へは10人乗りの大型ゴンドラ「サンライズエクスプレス」を利用する。リゾートセンターでチケットを購入し、山麓駅から出発。ガラス張りのゴンドラは揺れも少なく(大切)じわじわと標高を稼ぎ、およそ7分で山頂駅に到着!

ゴンドラの山頂駅はかなりのオシャレっぷり

 標高はおよそ550mと控えめだが、魚野川の光る水面の両岸にコシヒカリが実る南魚沼の水田が広がり、その向こうに日本百名山の巻機山(まきはたやま)や、八海山・越後駒ヶ岳・中ノ岳の越後三山が控える堂々としたパノラマは、日頃のストレスをふっとばしてくれるまさに絶景だけが持つパワーにあふれている。

 山頂駅のまわりには「ISHIUCHI」のロゴを象ったモニュメントが建つ「ロゴパーク」や「ハンギングチェア」など、SNS映え待ったなしのスポットが点在。山間をそよぐ風のなかの散策が心地よい。

大きなブランコ「ハンギングチェア」の心地よい揺らぎが忘れていた童心を呼び覚ます(涙)
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