■筆者がタープを選ぶ基準

 ちなみに、僕自身がハンモックハイキングで主力として使っているのは、軽量なヘックスタープ(GOSSAMER GEAR「TWINN TARP」)です。

どんな状況でも雨風をしのげる安心感

 僕は長い距離を繋いで歩くのが好きなので、個人的な山行には最低でも3泊以上の行程を組みますが、複数日のハイキングでは当たり前のように途中で天候も崩れます。過去に使用していた小型の軽量タープは、必要最低限の遮蔽性を備えていたものの、強風を伴う雨のときには吹き込みを完全に抑えることが難しく、ストレスを感じることがありました。

アシンメトリータープは、軽いことがメリットだが、横風を防ぐのが難しい

 そういった経験から、複数日のハイキングでは雨風をしっかり遮り、安心して寝泊まりできるスペースを確保するには、必要最低限よりもゆとりのある広いタープが必要だと感じていたのです。

 現在、僕が主力としているTWINN TARPは、もともと2人用のグラウンドタープ(地面に張るタープ)として販売されているものであるため、全長、幅ともにハンモック用としてはかなりゆとりのある大きさです。この大きさがあれば、強い風を伴う雨のときでも、吹き込みをほぼ完全に遮断できます。さらに横からの風をしっかり遮れるおかげで、そこそこ保温性もあり、真冬を除いた3シーズン用として幅広く使えるのです。

ゲリラ豪雨が通り過ぎた後に撮影。荷物はまったく濡れなかった

 これだけ充分な遮蔽性があるにも関わらず、TWINN TARPは約280gと軽量(本体生地自体が軽量なため)なので、担いで歩くのに負担はほとんど感じません。

 僕がハンモックを用いるときは基本的に複数日での使用が多く、シェルターであるタープには急な天候変化にもきちんと対応できることが求められます。また長時間担いで歩くことを考えると、重量もできるだけ抑えたいところです。

 僕がなぜこのヘックスタープを主力としているか理由を求めるなら、遮蔽性の高さと軽さを併せ持った「合理的なタープ」であるからといえるでしょう。

■タープ選びのヒント

使い方次第で、ハンモックの屋根に必要な機能は変わってくる

 ハンモックにどんなタープを組み合わせるかは、タープの面積や形状による「遮蔽性の高さ」、重量や収納サイズなどの「携帯性」、ハンモック以外の用途にも使えたり、設営のアレンジが豊富な「汎用性」、設営が簡単にできる「手軽さ」などが主な基準になります。

 僕が今回主力として紹介したヘックスタープは、長旅でも安心して使えるよう「遮蔽性の高さ」、「携帯性」などを最優先して選んだものですが、僕自身、必ずしも軽くて遮蔽性の高いものばかりを使うわけではありません。

特徴がひと目でわかる「形状別ハンモック向きタープ」の早見表

 もし近場に一泊で歩きに行くのなら多少重たくて嵩張るものでも苦になりませんし、暖かい時期に天候の安定した場所で一晩過ごすなら遮蔽性の高さよりも開放感を優先します。つまり遊び方に合わせてベストなものが変わるということなのです。

 ハンモックに組み合わせるタープは選択肢がたくさんあって悩ましいところです。

 もしタープ選びに迷ったら、まずどんなハンモックハイキングをしたいのかをじっくり考えてみましょう。そしてシェルターとして機能的であることと同じくらい「楽しい」要素もしっかり盛り込んでください。そうすれば、きっとあなたにぴったりのタープが見つかるはずです。