■電車の待ち時間に立ち寄れる「イヌワシストア」

「イヌワシストア」では、みなかみの食が体験できる飲食メニューの提供や物販も行なっている

 谷川岳や一ノ倉沢、もしくはみなかみ町の観光に訪れたなら地元グルメも味わっていきたい。車ならあちこち好きなところに行けるだろうが、電車の場合でも駅周辺でカフェやレストランに立ち寄れる。そんな立ち寄りスポットのひとつが、上越新幹線・上毛高原駅の構内にある駅ナカコーヒースタンド「イヌワシストア」だ。

 このショップは2024年4月にオープンしたばかりの新スポット。豊かな自然の象徴であるイヌワシをモチーフにした商品が多く、イヌワシの狩場を創出するために伐採した木材を使うなど、細部までこだわりを徹底している。

オリジナルブレンドのカフェメニューを用意。電車を待つ間に休憩や買い物ができる新スポットだ
オレンジジュースにエスプレッソを加えた新感覚のドリンク「イヌワシサンライズ」

 店内では、オリジナルブレンドのコーヒーなどの各種ドリンクや軽食を提供。このほか、地域内外の事業者が出店できるポップアップスペースもあり、イヌワシをシンボルにしたオリジナルグッズも販売している。駅構内にあるお店なので、電車の待ち時間に立ち寄って休憩や買い物を楽しめる。

上毛高原駅構内の「イヌワシストア」

■水上駅前のブックカフェ「Walk On Water」

店舗は50年間この町にたたずんでいた旧書店跡をリノベーションしたもの

 水上温泉郷の玄関口となるJR上越線・水上駅前にあるブックカフェ「Walk On Water(ウォーク オン ウォーター)」は、2022年11月に開業したまだ新しい店舗。だが、建物の外観は町になじむノスタルジックな雰囲気だ。

 なぜなら、この建物は50年前からここに建っているものだから。以前は書店として営業していたが、20年ほど前に閉店し、そのままになっていた建物をリノベーション。そしてブックカフェとして再生されたのがこのお店なのだ。

店舗に置かれている本は山と旅に関するものが多い。自由に読めるものと、販売しているものがある

 「Walk On Water」は、みなかみ町に移住してきた夫婦がオープンしたお店。店舗自体は、食事やカフェメニューを楽しみながら読書を楽しめたり、本を販売したりしているブックカフェとして機能している。だが、曜日によって飲食を提供する店舗が変わるというのがおもしろい。

 本に関することはオーナー夫婦の夫が手がけ、飲食店の1つは妻が経営、もう1つの飲食店はみなかみ出身の料理人が出店。3つの組織が1つの場所でサービスを提供しているユニークな営業形態になっている。

風情が漂うブックカフェ「Walk On Water」
群馬県産の食材を取り入れた「谷川岳の麓のおにぎりや futamimi」
 

 「Walk On Water」 で、 木曜と土曜に飲食を提供している「futamimi (ふたみみ)」 は、カフェのオーナー夫婦の妻が営業するお店。おにぎりに使われている 「水月夜」 は、 みなかみ町の地場産ブランドとなるお米。全国のコンクールで入 賞し、香りや甘みがあるのが特徴だ。

 おにぎりの具材も多岐に渡り、 みなかみ名産のまいたけを取り入れた炊き込みおにぎり、地元で有名な精肉屋 「育風堂」 の麦豚を使った肉巻きおにぎりなど、 土地の味覚を感じられるメニューが揃う。ほかにも、夏は焼きとうもろこし•冬はゆず塩たらこおにぎりなど、季節限定のメニューも多数ある。
いろいろ食べ比べするのもおすすめだ。

「おにぎりや futamimi」で群馬の味覚を堪能
異国の料理が詰まった「旅する台所」のメニュー。同じ料理でも違う皿やトレーが使われているのでおしゃれ

 水曜日と金曜日に営業している『旅する台所』はみなかみ町出身の料理人が手がけるご飯屋さん。旅好きの店主が世界各国をめぐり、その経験が料理に存分に活かされている。提供しているメニューは旅先のローカルな食堂や屋台、市場で食べ感動したものを再現している。アジア料理を中心にヨーロッパ、地中海、アフリカ、南米など、とにかく幅広い。

 観光客だけでなく、地元住民に向けたメニューを意識し、週替わりで違う国の料理を提供。日本ではなかなか食べる機会のない珍しい異国の料理を味わうことができる。

世界の料理が味わえる「旅する台所」