■山頂から望む高度感のある絶景!

道中で見上げた「大ヤスリ岩」を見下ろし、広大な山々の景色が広がる

 瑞牆山の山頂は断崖絶壁の岩の上で、高度感を感じることができる。晴れていれば、八ヶ岳や南アルプス、富士山を望むことができる。

 すぐ横には隣の金峰山が見え、金峰山のシンボルである五丈岩(ごじょういわ)も確認することができる。

雲海の向こうに顔を出していた富士山

 筆者が訪れた日は雲が多かったが、山頂に到着した時にタイミングがよく雲が晴れ、富士山も確認することができた。

 山頂は広くはないが休憩できるスペースがあるので、景色を楽しみながら達成感を噛み締めよう。

■不動滝までの樹林帯歩き! 本当に涼しい「クーラー岩」で癒されよう

 瑞牆山山頂からは不動滝(ふどうたき)を経由して、みずがき山自然公園へと下山する。

 登りと比べ高低差の岩のあるような箇所は少ないが、こちらのルートも斜面は急なので気をつけながら下りたい。

 全体を通して静かな樹林帯を歩き、北側に面する斜面のため日光が入りにくく、少しひんやりとさえ感じた。

 不動滝までの道中、ユニークな岩がある。「クーラー岩」と呼ばれる岩で、空洞になっているところから冷気が出ていてひんやりとしている。

クーラー岩に手をかざしてみると、びっくりするほどひんやりとしていた

 実際に手を出してみると本当にひんやりとしていて、夏の登山ではこの冷気が心地よく筆者もしばらくクーラー岩で涼んでから下山した。

 瑞牆山の山頂から約1時間25分で不動滝に到着する。不動滝は巨大な岩を滑るように流れ落ちる滝で、非常に静かな滝だ。

不動滝。筆者が訪れた時は水量が少なく感じたが、巨大な岩をウォータースライダーを滑るように流れていた

 不動滝を過ぎると斜面は緩やかで歩きやすく、沢沿いの登山道を川のせせらぎを聞きながら気持ちよく歩くことができる。

起伏の穏やかな沢沿いは歩いていて心地がよかった

 沢沿いから外れるとやがて林道に合流し、そのまま林道を歩くとみずがき山自然公園へと帰ってくることができる。

 スタート地点であるみずがき山自然公園は標高が1,400mを超え、麓と比べ気温は低いが、それでも夏季は熱中症への対策は欠かせない。帽子着用のうえ、こまめな水分補給を心がけたい。

 その山容を眺めるだけでもすばらしい瑞牆山。山頂までの道のりは体力を要し、簡単とはいえないが、全身を使って岩の山を登り、山頂へと立った時の達成感はひとしおだ。

 岩で構成された山容と、絶景を眺めに瑞牆山へチャレンジしてみてはどうだろうか。

 

【登山ルート】約6時間30分
みずがき山自然公園⇒(1時間30分)⇒富士見平小屋⇒(30分)⇒桃太郎岩⇒(1時間40分)⇒瑞牆山⇒(1時間25分)⇒不動滝⇒(1時間25分)⇒みずがき山自然公園

●【MAP】みずがき山自然公園駐車場

【アクセス】中央自動車道・須玉ICから増富ラジウムライン経由で約40分(25.8km)