夏の夜釣りは、日中に高くなった水温が下がって落ち着くため、魚に出会えるチャンスが増える。とはいえ、夜の釣り場は暗く、足元も見づらくてトラブルや危険が伴う。今回は、安全に夜釣りを楽しむための注意点や必要なアイテムを紹介していく。

■そもそも夏の夜釣りは、なぜ魚が釣れやすくなるのか?

夏の夜釣りの一級ポイントである常夜灯周り

●水温が下がり、魚の活性が上がる!

 夏は日中の水温が非常に高くなるため、海中の酸素量が少なくなる。そういった状況下では、プランクトンも集まりにくく魚も釣りにくい。だが夜になると水温が下がり、プランクトンが動き出す。それを追ってさまざまな魚がやってくるので、日中は全く釣れなくても夜になると釣れたというケースが増えるのだ。

●常夜灯周りにプランクトンが集まりやすい

 磯場や穴場的な自然のスポットには常夜灯がないことが多いが、漁港や整備された防波堤には夜になると点灯する常夜灯が設置されている。プランクトンは光に集まりやすい性質があるため、常夜灯周りは魚が集まりやすく釣りの一級ポイントだ。当然、夏でなくても常夜灯は点灯するが、日中に魚が釣りにくい夏は「夜」と「常夜灯」をキーワードに攻略してみるのがよいだろう。

■夏の夜釣りでやってはいけないこと

足場の良いところで夜釣りを楽しもう

■足場の不安定なところでの釣り

 日中の釣りでもいえることだが、夜釣りは特に足場が不安定なところでの釣りはNGだ。視界がよい日中の釣りとは違い、足を踏み外しやすく危険を伴う。足元が広く、安全を確保できる場所で釣りをしよう。

■安全柵のない釣り場選び

 整備された釣り場には安全柵が設けられている所も多いので、夜釣りにはそうした場所が向いている。安全柵のほかにも段差が少ない、隙間がないといった安全面も要チェックだ。ただし、安全な釣り場ほど夜になると混雑することもあるので、隣の釣り人との距離を保って釣りをしよう。

■消波ブロック(テトラポッド)に乗る

 消波ブロックの上での釣りは日中も危険なのでNGだが、夜釣りではもってのほかだ。もし足を踏み外したら視界も悪く、上に登れない可能性もあるし、頭を打って気絶しようものなら助けも呼べない。危険を犯してまで釣りをしてはいけない。

■周りへの声かけをせずに単独での釣り

 釣りに集中している他人にも、釣り場で出会った人は仲間である。小声でもいいので、気づいてもらえるように必ず挨拶をしよう。そうすることで、お互いに何かあった時も助け合うことができる。実際に筆者の知人も夜釣りで落水し、近くにいた釣り人からクーラーボックスを投げ入れてもらいビート板のようにして岸に泳ぎ着いたことがあった。やはり挨拶をしてほかの釣り人に存在を伝えておくことは重要な要素である。