■蓮華温泉から歩く白馬岳

小蓮華山までの稜線から振り返ると白馬大池が見える

 早朝2時、トイレを完備する、70台駐車可能な蓮華温泉駐車場は8割ほど埋まっていた。

 車中で仮眠後、明るくなると同時に登山開始。

 蓮華温泉から白馬大池までは、樹林帯の中の登山道を歩く。

 途中「天狗ノ庭」と呼ばれる場所からは、雪倉岳、朝日岳が目の前に見え、圧巻の景色。登りはじめから2時間弱、眺めのよいこの場所で休憩をとる。

 そこからさらに1時間40分ほど登ると、視界が開けた場所に出る。「白馬大池」だ。白馬大池は栂池自然園からの登山道との合流地点。ここで一気に登山者の数が増える。

 白馬大池からは森林限界を超え、登山道は石のガレ場歩きとなる。

 「小蓮華山」までの稜線を多くの登山者が歩いているのが見え、振り返る度に白馬大池の姿は小さくなっていく。

白馬大池の前のベンチ

 白馬大池から2時間かけてようやく小蓮華山に登頂。休憩を含めるともうすでに6時間以上行動している。疲労もかなり溜まってきた。しかし、先はまだ長い。

小蓮華山までの稜線

 午後になるに連れて、空には雲が広がり稜線も雲に隠れる。

 ここまで急な登りが続いていたため、小蓮華山からのなだらかな稜線歩きに、メンバーの顔に笑顔が浮かぶ。

小蓮華山から先は、しばらくなだらかな稜線歩きが続く

 稜線の先に見える、岩の山が白馬岳山頂だろう。「本日、最後の登りだから頑張ろう」と声を掛け合いながら岩の上へ登ると、さらに稜線は続く。山頂だと思っていたのは手前の岩山だった。

この岩山を登ったところは、まだ山頂ではない

 まだ先は長そうだ。筆者らは少し開けた場所で小休止をすることに。岩場だらけの登山道だったが、気が付くと辺り一面、高山植物の花畑。登ることに必死で、花に気付く余裕さえなかったのだ。

正面、左側が切れ落ちている場所が白馬岳山頂

 最後の岩山をマーカーを頼りに登りきると、ビクトリーロードのような稜線が現れる。長い稜線の先にようやく白馬岳山頂が見える。

 残念ながら、360度の展望の山頂はガスで覆われて何も見えない。

 蓮華温泉からのルート、覚悟はしていたが想像通り長いルートだった。

 山頂を越えて、さらに30分かけて本日の山小屋「白馬岳頂上宿舎」へ向かいチェックイン、長い1日がようやく終わる。

白馬頂上宿舎から見える白馬山荘と白馬岳山頂