夏は登山のハイシーズンであるため、登山計画を立てている人も多いだろう。この季節は長期の休みを利用して、夏山ならではの新緑と青空、白い雲のコントラストが素晴らしい、登山やハイキングに最適な時期である。
一方で、夏山は暑さや日焼け対策が重要で、これらを怠ると大変な思いをして楽しめなくなる。今回は、今だから笑って話せる夏山失敗エピソード5つを紹介しよう。
■夏山失敗エピソード
① 日焼け止めの塗り直しができない大量の汗
夏山は特に日差しが強いため、こまめに日焼け止めを塗り直さないとあっという間に日焼けをしてしまう。筆者は日焼けすること自体はそれほど気にしていないが、日焼け後に数日体がだるくなるのが嫌なので、日焼け止めをこまめに塗るようにしている。
こまめに塗り直すのが億劫にならないよう、ハイキングや登山では手を汚さずに塗り直しできるスティックタイプを使うことが多い。春や秋の涼しい季節に使う分には問題ないが、夏の低山ハイキングに挑んだ際、暑すぎて滝のように汗をかき、スティックタイプが汗で滑り上手く塗り直せないことがあった。この時、結局手で日焼け止めを塗り伸ばすことになり、途中から面倒くさくなって怠ってしまったのだ。
案の定、しっかり日に焼けてしまい、下山後の数日間だるさが続いてしまった。夏山では日焼け止めのこまめな塗り直しが重要。以来、チューブタイプやポンプタイプ、スプレータイプなどさまざまな日焼け止めを試し、自分にとって、その日の状況により使いやすい日焼け止めをチョイスして、面倒くさがらずこまめに塗り直すように心がけている。
登山やハイキングだけでなく、キャンプやBBQでも日焼け対策は大切。自分にあった日焼け止めを選び、帽子やアームカバーなどと併用して、夏山を思い切り楽しもう。
② 脇汗びっしょりで、クーラーの効いた展望台のカフェを諦めることに
夏山登山も標高の高い山を選べば、暑さが和らぎ涼しい中歩くことができる。しかしながら、低山ハイキングでは暑さが厳しく滝のように汗をかいてしまう。しかし、低山の頂上には展望台やクーラーの効いた売店、カフェがあることも多いので、筆者はこれらを楽しみに熱中症対策をして、暑さが厳しい夏の低山ハイキングを楽しんでいる。
ところが去年(2023年)の夏、とある低山の頂上にあるカフェを目当てにハイキングに行ったものの、大量に汗をかいたせいで、脇に汗染みができて恥ずかしい思いをしたことがある。
灼熱の中、2時間ほど歩いて滝のような汗をかいて山頂へ。目的のカフェに入る直前、売店のトイレを利用した際に、鏡に映った自分の姿を見て驚いた。吸収速乾素材の登山ウェアを着ていたが、大量の汗で両脇にくっきりと大きな汗染みができていたのだ。
このままおしゃれなカフェに入るのは恥ずかしくなってしまい、野外の売店を利用するにとどめた。それはそれで美味しく楽しめたのだが、クーラーの効いたおしゃれなカフェに入れず残念な気持ちになった。
この時の経験から、夏場に低山ハイキングで頂上の施設を使用する際は、汗拭きシートを持参して身体中を拭く、ポータブル扇風機などで汗を乾かすなどの工夫が必要だと学んだ。以来、夏場は汗対策グッズやひんやりグッズを忘れずザックに入れるように心がけている。
③ 暑すぎて行動食を食べられずハンガーノックに
夏山登山やハイキングでは、熱中症対策で普段より多めの飲み物や塩分が取れる行動食を持参している。しかしながら、クッキーやビスケット、バータイプの行動食はパサパサしているため、口中の水分が奪われるようで暑い中食べる気になれないことがある。実際、3年前の夏山登山では行動食を食べる気になれず、ハンガーノックになってしまった。
ハンガーノックとは運動中に起こる低血糖状態のことで、「シャリバテ」と呼ばれることもある。激しい運動を続けることで血中のグリコーゲン(糖質)を使い切ってエネルギー不足となり、手足が震えたり、ぼーっとしたりするなどの症状が出る。筆者は早い段階で自身がハンガーノックになったことに気づき、行動食を食べてその日の登山を途中で諦めてことなきを得たが、危機を感じる経験だった。
夏場の行動食は、ゼリータイプやドライフルーツ、グミやおにぎりといった、比較的水分を含んだ口当たりの良いものを選ぶことが大切だと学んだ痛い思い出だ。