■5. MVロケ地「八幡坂」〜TAKUROの愛した喫茶店「カフェ・ペルラ」

GLAYのMV『ホワイトロード』のロケ地としても有名な八幡坂

 穴澗海岸から再び函館どつく前の電停方面へ。船見町20交差点で右折し真っ直ぐに走ると、有名観光スポット「八幡坂」だ。こちらのルートを使えば、急な坂を避けて移動できるのでおすすめだ。この時点で、キラリス函館からは5km近く。ゆっくり走っても30〜40分はかかる。なるべく急な上り坂は避けたいタイミングだろう。

 八幡坂は、GLAYのミュージックビデオや単行本掲載写真のロケ地として使用された場所。高台から函館湾を見下ろせる、函館屈指の人気撮影スポットとしても知られている。なお、八幡坂は自動車も通る公道となっているため、撮影の際には周囲の安全を確認し、交通ルールやマナーを遵守しよう。

 坂を登り切った突き当たりが丁字路になっており、若干の歩道がある。撮影する際は歩道からが最も安全でおすすめだ。

●施設名 八幡坂

住所 〒040-0054 北海道函館市元町

・ホームページURL 八幡坂

 八幡坂の突き当たりからさらに進むと、二十間坂上に「スカイラウンジ カフェ・ペルラ」の建物が見えてくる。ここは、GLAYのリーダーでありギタリストのTAKUROが作曲や作詞に利用していた場所にできたお店。

 三角屋根の独特な建物で、床から天井まで広がる巨大なガラス張りの窓からは函館の街を一望できる、風光明媚な喫茶店だ。「カフェ・ペルラ」時代にはグランドピアノも置いてあったという。

 TAKUROは学生時代、窓際の真ん中のテーブル席を好んで使っていたそう。GLAYの曲『カナリヤ』の歌詞「レンガを敷いた坂道にある海沿いの店のピアノ」という描写がこの店を思わせる。また『ずっと2人で…』の作詞をした場所としても有名だ。

 2022年に閉店してしまったが、現在でも建物が残っているため、特徴的な三角屋根やガラス窓から在りし日の姿を伺うことができる。隣には函館ロープウェイの発着駅があるので、時間があれば函館山にも行ってみよう。

●施設名 スカイラウンジ カフェ・ペルラ

住所 〒040-0054 北海道函館市元町18-11  情報複合ビルいるか807

■6. GLAY唯一の公式スペース「G4 Space」

GLAY唯一の公式スペース「G4 Space」(写真提供:G4 Space)

 二十間坂を一気に下り、函館市電の線路沿いを右折。十字街の景色を見ながらカーブを描く函館市電の線路沿いをひたすらに走り、函館駅前の松風町へ向かう。

 さまざまな景色が移り変わっていく小さな街並みを堪能できる点こそ、函館で自転車移動する醍醐味と言えるだろう。

 松風町にあるGLAYファンには欠かせないスポットが、唯一の公式スペース「G4 Space」だ。

「G4 Space」の「G4」はGLAYの4人を指す言葉(写真提供:G4 Space)

 G4 Spaceは、函館で長年営業を続けるセレクトショップ「SODAPOP」の一角で2011年にスタート。

 メンバーの友人であり、SODAPOPを手がけるHIKARUさんは「ファンの皆さんにとっても、故郷のような、温かさや強い絆を感じてもらえる場所になればいいなと思っています」と述べており、今もこの場所を守り続けてくれている。

 店内にはSODAPOPオリジナルアイテムや関連ブランドのアイテムのほか、GLAY公式グッズの販売、メンバーの衣装や楽器、アンプ等の機材の展示もされている。まさに「GLAYファンの憩いの場」とも言える場所だ。

●施設名 G4 Space

住所 〒040-0035 北海道函館市松風町6-18
電話 0138-22-8277

ホームページURL G4 Space

※営業日時はホームページよりご確認ください

■7. GLAYが初めてライブをした「あうん堂ホール」

サインや学生時代の落書きも残る、GLAYの始まりの地「あうん堂」(写真提供:あうん堂ホール)

 G4 Spaceを背に左へ自転車を走らせ、市電の通る松風町の交差点を渡って真っ直ぐいくと、ゴールはもう目の前。右手にすぐ、「あうん堂ホール」が見えてくる。

 あうん堂ホールは、1960年にジャズ喫茶としてスタートし、1983年からは多目的スペースとして音楽好きに親しまれている老舗ホールだ。

 GLAYが学生の頃よくライブをしていた場所であり、楽屋の壁には今も「GLAY」の文字の落書きが残されている(店主の厚意でバータイムは開放されており、誰でも見ることができる)。

 出発点であるキラリス函館のすぐ傍にあるので、あうん堂ホールに立ち寄ったあとに、自転車を返せばこの旅の行程は全て終了だ。総距離は約8.7km。休憩を取りながらゆっくり走って、1時間半〜2時間程度だ。

●施設名 あうん堂ホール

住所 〒040-0035 北海道函館市松風町8-6
電話 0138-22-6360(17:00~24:00)

ホームページURL あうん堂ホール

※営業日時はホームページよりご確認ください

■夏の函館をめぐって、GLAYの歴史に思いを馳せよう

「カフェテリア モーリエ」のすぐ近くにある中国人墓地と函館湾も絶景だ

 今回は元町・ベイエリア周辺に絞って、GLAYの聖地を自転車でめぐってみた。

 函館は小さく見えて意外に広い街。中心地は道路が狭いところもあるので、自転車移動がおすすめだ。函館の夏は涼しく快適で、自転車で走ると非常に気持ちがいい。

 函館は、函館湾や函館山・元町周辺をはじめとした絶景が広がる風光明媚な街で、古い街並みや赤レンガ倉庫などの歴史ある風景と、繁華街周辺の現代的な風景が混在している。自転車で走ることで、そうした歴史の移り変わりを、街並みからもじっくり味わえるだろう。

 函館を訪れた際は、ぜひこの記事を参考に、GLAYの聖地を含めた函館の魅力的なスポットを、自転車でめぐってみてはいかがだろうか。

 

※この記事の情報は2024年8月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください。