連日猛暑が続く日本列島。暑さで日々の外出が負担となり、涼しい場所への脱出を望むのは自然な感情だろう。

 今回は猛暑が続く日本の夏にぴったりな、富士の樹海にある「天然の冷蔵庫」と呼ばれるスポットを紹介する。名の通り、夏でも氷が解けずに残る環境がそこにはある。

 猛暑日が続く今こそ、納涼のために天然の冷蔵庫に出かけてみてはいかがだろうか。

■都心から3〜4時間の「天然の冷蔵庫」

バスタ新宿から出発する、河口湖行きの高速バス

 「天然の冷蔵庫」という、非日常を感じさせてくれる場所は、山梨県の富士河口湖町にある。過去の富士山の噴火により生まれた「富士五湖」が点在し、溶岩が形成した独特な地形で知られる「富士の樹海」がある地域だ。8月の平均気温も21〜23℃と涼しく、避暑地としても知られている。

 富士河口湖町の中心駅である河口湖駅までは、東京都心からバス・電車・自家用車で2時間〜2時間半。「天然の冷蔵庫」まではさらに車で20分、またはバスで30分程度かかる。

■「天然の冷蔵庫」は2つ

富岳風穴の中にある「天然冷蔵庫」の看板

 山梨県富士河口湖町の天然の冷蔵庫は、「富岳風穴(ふがくふうけつ)」と「鳴沢氷穴(なるさわひょうけつ)」の2か所が特に知られている。

 天然の溶岩洞で、地下に氷柱やつららが存在する。これら氷柱のイメージと、夏でも平均気温は3℃程度でとても涼しく、蚕の卵や種子の貯蔵庫としても利用されたことから、天然の冷蔵庫と呼ばれているのだ。それぞれ徒歩15分程度しか離れていないため、「富岳風穴・鳴沢氷穴」と一括りにされることも多い。

 富岳風穴は横穴式の洞窟で、内部は歩きやすい。入口近くに巨大な氷柱があり、奥には溶岩棚や貯蔵庫がある。対して、鳴沢氷穴は竪穴式の洞窟で、急勾配の階段や天井の低い場所が多く楽には進めないが、奥まった場所に氷柱やつららが広がる光景は絶景だ。