■富岳風穴から徒歩15分!「鳴沢氷穴」

幻想的にライトアップされた鳴沢氷穴の氷柱

 富岳風穴から鳴沢氷穴までは、徒歩15分程度。国道139号線に出て、南東方向(森の駅 風穴を背にして右)へまっすぐ歩くだけの一本道だ。「鳴沢氷穴」と書かれた巨大な看板に差し掛かったら歩道を右折し、2分ほどで到着だ。

国道沿いにある鳴沢氷穴の看板

 鳴沢氷穴は、巨大な山小屋のような建物に見えるが、洞窟の入り口はこの建物の背後にあり、入り口へ行くには入場券を買う必要がある。入洞料金は富岳風穴と同じ(大人 350円、小学生以下 200円)だ。

鳴沢氷穴の入り口からも、樹海の独特な地形が見てとれる

 鳴沢氷穴は、溶岩流の内部が冷えて収縮する際に、高熱のガスや溶岩が噴き出し空洞が生まれることで形成された。入り組んだ構造をしており、不規則な形状となっている。富岳風穴と違い、縦向きに深い洞窟で、地下21mまで続く。

 一本道で進めるように整備されているが、起伏が激しく通路も狭く天井も低いため、富岳風穴に比べると、より本格的な「洞窟探検」が味わえる。しゃがみながら歩かないと進めない場所や、底が知れない地獄穴など見所も多い。

鳴沢氷穴の通路は天井が低く、狭い通路が多い
鳴沢氷穴内部は急峻な階段も多く、アスレチック感のある通路が続く

 急な階段や狭く天井の低いトンネルを進むと、目の前には氷柱のライトアップが広がり、奥には鋭く尖ったつららも見られる。開けた場所に突如現れる幻想的な氷の世界に思わず息を呑む人が多いだろう。写真だけでは到底その魅力を伝えきれないので、ぜひ実際に見てほしい。

 氷柱自体の迫力では富岳風穴に軍配が上がるが、さまざまな形状の氷を1か所で見られるのは、鳴沢氷穴ならではの醍醐味だ。

鳴沢氷穴の奥にある幻想的な氷柱
鳴沢氷穴の奥にある巨大なつらら

●施設名 鳴沢氷穴

住所 〒401-0320 山梨県南都留郡鳴沢村8533
電話 0555-85-2301

ホームページURL 鳴沢氷穴

※営業日時はホームページよりご確認ください

■バスを使う際は、時間に余裕をもとう

「富士五湖周遊バス」を利用する際は、時間に余裕をもつこと

 バスで河口湖駅まで帰る場合、本栖湖から河口湖駅までを結ぶ富士五湖周遊バス(鳴沢・精進湖・本栖湖周遊バス)を使うことになる。富岳風穴・鳴沢氷穴ともに富士五湖周遊バスのバス停があり、上り方面のバスに乗れば河口湖まで乗り換えなしで帰ることができるが、上り・下りともに1日に5本のみの運行となっている。

 富士五湖周遊バスを使う場合、特に鳴沢氷穴から河口湖駅に帰る時は、時間にゆとりをもつようにしよう。そもそも本数が少ないうえ、富士河口湖町はインバウンド観光客が多く、路線バスの支払いに戸惑う場面があり、予定時刻よりもバスが遅れてしまうことが多いためだ。

 筆者が訪れた時は、45〜50分の遅延が発生していた。東京から日帰りができる距離にあるとはいえ、時間に余裕を持って訪れることをおすすめする。

■猛暑に耐えられない!  そんな時は「天然の冷蔵庫」へ

「富士五湖周遊バス」の車窓から見える富士山

 天然の冷蔵庫である富岳風穴・鳴沢氷穴は、ただ涼しいだけでなく、巨大な氷の柱という非日常的な光景が楽しめるスポット。年々暑さは厳しくなる一方だが、気が滅入りそうになったら、富士の樹海の幻想的な洞窟で納涼してみてはいかがだろうか。

 

※この記事の情報は2024年8月現在のものです。内容が変更される場合もありますので、最新の情報はリンク先のHPでご確認ください