キャンプブームをきっかけに、キャンピングカーやアウトドア向けにカスタムされた車を目にする機会が増えている。そんな中、これから車中泊を楽しんでみたい人の新しい旅のスタイルとして「ルーフテント」が注目を集めている。

 車の屋根上に取り付けるテントで、60年以上前に海外から普及し始めたキャンプスタイル。過去にはパリ・ダカールラリーなどでも使用され、ルーフテントを装備した車で自由気ままに、大自然の中や大陸間を旅する人もいる。

 今回は、筆者がルーフテントを実際に3年間使用して感じた魅力や、活用方法についてレポートしていく。

■主に3種類に分けられる、それぞれ特徴のあるルーフテント

筆者の所有するシェル型ルーフテント AUTOHOME「コロンブス ヴァリアント ミディアムサイズ」。当時の購入価格は382,500円(工賃込み)

 ルーフテントとは、読んで字のごとく車両の屋根上(ルーフ)に取り付けるテント。収納時はルーフボックスを幅広くしたような見た目で、開閉動作をするだけで設営が完了するものが多く、テントを設営するような手間がかからない、簡単さがルーフテントの強みといえる。主にシェル型、タワー型、テント型の3種類に分類される。

 シェル型は、3種類の中で最も簡単に開閉できる点が売り。設営手順は、まずシェル後方のロックを外し、そのままシェル上部を手で持ち上げる。するとガスダンパーが効きシェル後方が上昇、テントが展開される仕組みだ。

ルーフテント後方のロック。これを解除すると簡単にテントが設営できる

 室内の高さは最大150cmで十分であるが、横幅は車と同程度のためそれほど広くはなく、少人数での使用が基本だ。筆者使用のミディアムサイズのテントの場合、大人2人、子ども1人は広々と就寝できる。

屋根裏部屋の様な雰囲気、秘密基地を連想させる

 タワー型はスクエアなシルエットが特徴で、シェル型のようにワンタッチ開閉とはいかないが、素早い開閉が可能。設営時は4本の支柱によってスクエアな空間ができ、シェル型同様、少人数での使用が前提だが、荷物を置くスペースはシェル型よりも広い。

タワー型ルーフテント AUTOHOME「マジョリーナ」(画像提供:ジファージャパン AUTOHOME JAPAN)

 テント型は展開すると、ドーム型テントのような広大な空間が完成する。ほかの2つのスタイルよりも空間が広く、使用人数の上限も多いモデルもあるが、そのぶん開閉に手間がかかる。

 キャンプ場や自然の中の使用では、冒険感に溢れる見た目で映えること間違いなしだ。

テント型ルーフテント AUTOHOME「エアキャンピング」(画像提供:ジファージャパン AUTOHOME JAPAN)

 ルーフテント内へのアクセスは、付属のはしごをかけてテント内へ上がっていく。筆者が使用しているAUTOHOMEの製品は、どのモデルにもマットが備え付けられており、使用人数ごとにサイズ設定があるのも特徴だ。