■渋沢栄一の暮らした飛鳥山の山頂へGO
「洋紙発祥の地」碑から駅前へ進むと、JRの高架下通路があり、ここの壁面にもNHK大河ドラマ『青天を衝け』のロゴをはじめ、渋沢栄一に関する内容が多数掲示されている。高架下を抜けると、目の前に飛鳥山の象徴でもあるモノレール「あすかパークレール(アスカルゴ)」の車体が見えてくる。
あすかパークレールは麓と山頂を結ぶ小さなモノレール(自走式斜行昇降施設)で、車体がカタツムリに似ていることから公募により「アスカルゴ」という名前がつけられた。乗車料金は無料で、歩くのが大変な方にとっての飛鳥山頂までの足となる他、倍賞千恵子さんによる飛鳥山の紹介アナウンスが流れるといった見所もある。
これに乗るのも楽しいが、アスカルゴに並ぶよりも階段で歩いて登る方が早い。山といっても飛鳥山は標高25.4mの小山のため、登山に慣れている方であれば2分程度で山頂だ。豊かな緑の匂いを嗅ぎながら歩くのも気持ちがよく、左手下に鉄道車両が走るのを見下ろしながらの山登りができるなど見所もある。
●施設名 飛鳥山公園
住所 〒114-0002 東京都北区王子1丁目1−3
ホームページURL 飛鳥山公園
※営業日時はホームページよりご確認ください
■飛鳥山の旧渋沢庭園周辺には「近代化産業遺産」も
整備された小道を抜け、徳川吉宗の功績を讃える「飛鳥山碑」、蒸気機関車がある公園などを抜けると、いよいよ渋沢栄一が長年暮らした「旧渋沢庭園」が見えてくる。
旧渋沢庭園は、飛鳥山公園の一角にある、渋沢栄一の暮らした「曖依村荘(あいいそんそう)」があった場所だ。かつては約8,500坪の広大な面積を誇り、日本館・西洋館からなる本館をはじめさまざまな建物があったが、1945年の空襲により主要な建物(本館など)のほとんどが焼失。現在残っているのは庭園部分の一部のみで、建物も渋沢栄一の喜寿祝いに贈られた「晩香盧(ばんこうろ)」と傘寿祝いに贈られた「青淵文庫(せいえんぶんこ)」のみとなっている。(どちらも国指定重要文化財)
なお、旧渋沢庭園に隣接する「紙の博物館」「渋沢史料館」は、前述の近代化産業遺産に認定されている。
旧渋沢庭園は入場無料。ただし「晩香盧」「青淵文庫」には、旧渋沢庭園に隣接する「渋沢史料館」で入場料を払うことで入ることができる。渋沢史料館では、新紙幣発行日の7月3日から新紙幣実物の展示も始まっているので、ぜひ訪れてみては。
●施設名 渋沢史料館(旧渋沢庭園 青淵文庫・晩香盧含む)
住所 〒114-0024 東京都北区西ケ原2丁目16−1
電話 03-3910-0005
ホームページURL 渋沢史料館
※営業日時はホームページよりご確認ください