■剣山から「次郎笈(標高1,930m)」へ! まるで龍の背を歩くような天空の稜線レポ!

剣山と次郎笈を繋ぐ、ごつごつとした緑の稜線
稜線の途中から振り返り剣山を仰ぎ見る

 剣山山頂の絶景を堪能した後は、この先は切れ落ちた道もあるので、初心者や子ども連れ、不調を感じた場合は引き返すのもよいが、さらに次郎笈(じろうぎゅう)の山頂とを結ぶ稜線歩きを味わってみてはいかがだろうか。剣山から次郎笈までの稜線は、1時間足らずで往復できる。ごつごつとした緑の稜線は、まるで龍の背中のようだ。

 その魅力は、なんといっても遠くまで続く山並みを見はらせる壮大な絶景だ。左右は斜面で切れ落ちているが、足場はしっかりと整備されているので恐怖を感じることはないだろう。雲一つない青空のもとを歩くのは、登山者にとって幸せ以外の何物でもないが、眼下に雲海が広がる様子も非常に美しく、空の上を歩いているような気分にさせてくれる。また、足元や山の斜面にはさまざまな植物が花を咲かせており、登山者を楽しませてくれる。

 ただし、周囲の天候が変わりやすい点には注意しよう。筆者が青空のもと稜線を渡り終え、次郎笈山頂に着くやいなや、周囲はガスに覆われ何も見えない状態になってしまった。幸い15分ほどで雲が晴れたが、周囲の変化には気を配り、無理な山行は避けてほしい。

次郎笈山頂から、歩いてきた稜線を振り返る。青空が美しい

■剣山山頂と次郎笈を堪能する山旅のススメ

 日本百名山の1つであり、四国徳島県の最高峰でもある剣山と、そこから連なる次郎笈への稜線の美しいコースを紹介した。これから夏の登山シーズンを迎え、高山植物も次々とその美しい姿を見せてくれることだろう。龍の背を思わせる、次郎笈への稜線を歩く登山計画を立てるなら、リフトの利用でショートカットするとよいだろう。

 休みを利用して山頂の山小屋で宿泊し、満点の星空とともに非日常を楽しむのも最高の思い出となるはずだ。ぜひ天空の稜線を踏みしめ、雄大な自然を満喫してほしい。

●【MAP】剣山 見ノ越第1駐車場