■残雪の日本百名山「剣山」登山へ
昨年の3月の末、地上がすっかり春めいてきた頃。今回の目的は四国の徳島県に位置する剣山(つるぎさん)。標高1,955mと、西日本で2番目の標高を誇る日本百名山にも選ばれている山で、そろそろ雪も溶け軽アイゼンでも歩けるくらいになっているだろうと思い山行を計画した。
■日の出とともに出発
前日の夜中に岡山県から車で出発し、朝5時に登山口の駐車場に到着。さっそく準備を整え、6時に日の出とともに駐車場を出発した。この時点で駐車場にはまだ他の車は一台もなく、平日ということもあり登山者は少なそうだ。
剣山登山口は円福寺、劔神社の中を通る形となっており、お参りとセットで登山開始となる。出発地点の標高は約1,400mだ。
神社を通り過ぎると、建物に隠れていた朝日を拝むことができた。今日は天気もよく、最高の山登りができそうだ。
途中で見えた向かいの山肌には残雪があった。きっとこれから通る登山道も、一部雪が残っているのだろうと想像できた。
登山口近くからはリフトが運行しているが、その到着駅である西島駅の手前で後ろを振り返ると、朝日に照らされたきれいな山並みが見えた(冬季はリフトの運行は休止しており、今回は使用していない)。標高1,750mほどのこの地点からは、現在立っているのと同じ高さあたりに雲が見える。
■山頂側駅の西島駅へ到着、その先にはかなりの残雪が
西島駅から山頂へは3つのコースへ分かれるが、今回は大剣神社を見たかったので剣道コースを行くことにした。
剣道コースを進むと、すぐに大剣神社へ向かう山の斜面をトラバースする箇所がでてくる。この道は太陽の光が当たりづらく、雪がたくさん残っている。さらに、溶けては固まるを繰り返した結果、雪がシャーベット状になり、道の状態はかなり悪い。足がもつれたり、こけてしまうと斜面を滑落してしまう。
今回は念のためチェーンスパイクと、6本爪の軽アイゼンを両方持ってきていたが、この箇所はより深く雪面に刺さり込む6本爪軽アイゼンを使用することにした。