■那須連山の主峰・茶臼岳と朝日岳の縦走登山!

ロープウェイ山頂駅から見上げる茶臼岳。山頂は目の前だ
ゴロゴロとした岩と茶褐色の土で覆われた茶臼岳の登山道

●ロープウェイで茶臼岳9合目へ!  那須高原を眼下に見下ろす空中散歩

 那須ロープウェイ山麓駅から茶臼岳の9合目まで、わずか4分間の空中散歩だ。 眼下には那須高原線(旧ボルケーノハイウェイ)や那須高原の雄大な眺めが広がる。

 山頂駅から茶臼岳頂上までの距離約800mを50分ほどかけて歩く。かつて硫黄鉱山として栄えた茶臼岳の周囲は黄土色の岩々が目立ち、非日常の世界が広がっている。ザレ場と呼ばれる細かい砂利の登山道なので、足を滑らせないよう注意しよう。

 山頂の火口周辺では、他の山とは異なる荒々しい地形や噴煙から、活火山らしい自然の力を感じる。周囲に目を向ければ、磐梯山(ばんだいさん)、日光連山、関東平野、筑波山などが望め、360度の大パノラマが広がっている。

山頂の那須岳神社で手を合わせ、安全登山を祈願する

●荒々しい稜線を越え、朝日岳へ

朝日岳山頂から、茶臼岳を眺める

 しかし、那須岳の魅力は茶臼岳だけでは語り尽くせない。個性豊かな周辺の山々では、それぞれ違った山歩きが堪能できるだろう。今回は、茶臼岳から稜線を越えた先の朝日岳へ向かおう。高山植物の花畑が広がる稜線では那須連山の展望など、日常では味わえないダイナミックな絶景が待っている。

 茶臼岳北側に位置する朝日岳は那須五峰のひとつで、那須連山の中では最も急峻で、「那須穂高(なすほたか)」の異名を持つ。とはいえ、しっかり注意を払えば問題はないだろう。岩稜帯の登山を楽しみながら山頂を目指そう。苦労した先の山頂では会津をはじめ、日光の山々の大パノラマが待っている。

 なお、途中の峰ノ茶屋跡避難小屋は登山者で賑わう休憩ポイントだが、緊急避難用の場所のため水場やトイレなどはないので注意しよう。

■イワカガミ咲く夏の茶臼岳

鮮やかなピンクもきれいだが、真っ白なイワカガミも可愛らしい

 ​​茶臼岳をはじめとする那須連山は古くからの山岳信仰の地で、山腹の温泉には九尾の狐(きゅうびのきつね)伝説などの逸話が数多く残されている。山頂ではお鉢めぐりができ、眼下の那須高原のほか、岩壁が特徴的な朝日岳や緑の三本槍岳などの那須の山々、遠くは会津の山々を望める。

 登山の後は、那須各地の温泉で疲れを癒すこともできるので、この夏の行楽に出かけてみてはいかがだろうか。

●【MAP】那須ロープウェイ山麓駅

​●【MAP】茶臼岳