■桜の見どころは山頂のちょっと先

満開の見事なアセビ
稜線上には格好良い樹形のアセビの大木が点在しています
稜線に乗ってしまえば、あとは山頂までもうちょっと

 山頂までの稜線上では、たくさんの花をつけたアセビの大木を見ることができます。畦ヶ丸の名前は、このアセビの木が多いことが由来となっているという説もあります。

今回、一番桜が見られたのは山頂から少し先に進んだ稜線上
山ならではな桜の種類を調べてみるのも楽しい

 桜のお花見が目的であれば、山頂で折り返さず足を延ばしてみましょう。少しだけ先に、桜とアセビのトンネルをくぐれる写真映えスポットがあります。

下降点まで気持ちの良い稜線歩きが続きます

 ちなみに、西丹沢の山中に咲いている桜はヤマザクラ、マメザクラ、オオシマザクラなどが混在しているそうです。写真に撮っておいて、下山後に西丹沢ビジターセンターで答え合わせをしてみたり、街中でもよく見るソメイヨシノとの違いを考えてみるのも面白いと思います。

■下山は別の沢沿いから

大滝沢のミツマタの大群落

 帰路は畦ヶ丸山頂から南へと稜線を進み、大滝上の分岐から下って大滝沢沿いを歩くルートがおすすめです。

 大滝橋で車道に出てから西丹沢ビジターセンターまで、少し登り返す手間はありますが、それを差し引いてもあまりあるほど気持ちの良いルートだと思います。

登山道はミツマタの中をくぐるように進みます

 沢筋では、斜面一面を埋め尽くすミツマタのドライフラワーが見られるのも圧巻。ミツマタの花を楽しみたいなら、3月に登ってみるのも良いでしょう。

■丹沢の混雑とは無縁な良ルート

新緑の美しさが楽しめるのは短い期間だけ

 首都圏からのアクセスの良さもあり、この時期の表丹沢は非常に混雑します。しかし、少し奥の西丹沢まで足を延ばせば、そんな混雑とは無縁の静かな春山を楽しむことができるでしょう。畦ヶ丸は山頂からの展望はありませんが、山を歩くことや植物観察を満喫したい方には、こちらも休日の選択肢になると思います。

春らしい淡い色合いの山肌

 桜が終わって5月の連休が明けると、次はお向かいの山・檜洞丸に初夏の到来を告げるシロヤシオやトウゴクミツバツツジが咲き誇る時期が始まります。数年に一度の周期で満花の年を迎えるそうなので、今年が当たり年かどうか、続けて歩きに行ってみるのも良いかもしれません。