暖冬小雪と言われていた2024年の冬。例年だと4月頃から妙高外輪山の北面に現れる雪形「はねうま」が2月には現れてしまった。足早に過ぎてしまうのかと思われていたスキーシーズンだが、3月に思いもよらぬ寒波が数回訪れ、スキー場には恵みの雪をもたらした。はねうまは、もう少し足踏みしてくれそうだ。
日本三大夜桜の一つ「高田城址公園」の桜もまだ蕾だ。寒の戻りで開花までにはもう少しかかりそう。この上越エリアは豊富な積雪量を誇り、4月でも十分に滑走を楽しめるスキー場が多いのをご存知だろうか? “ざらめ雪”の春スキーと桜吹雪の夜桜。ザラメのように甘い高田のスイーツを紹介したい。
■第99回「高田城址公園」観桜会と400年の歴史をもつ老舗の飴屋「高橋孫左衛門商店」
新潟県上越市にある桜の名所「高田城址公園」は、上野の「恩賜公園」、青森の「弘前城公園」とともに日本三大夜桜の一つに数えられる。周辺と合わせると約4,000本の桜が咲き誇り、日中はもちろん、夜桜見物の大人気スポットで県内外から多くの花見客を集めている。
その観桜会(かんおうかい)は、今年で99回を迎える。3月29日から桜並木にぼんぼりが灯りだした。寒の戻りで開花に待ったがかかってしまったが、春の陽気で人出は多いようだ。ソメイヨシノの蕾はまだまだ固いが、町に植えられているコヒガンザクラが一足先に咲き始めたからかもしれない。
高田の町は、お城のお堀や馬止などが残る城下町である。雪深い町の生活の知恵でもある「雁木通り」にひときわ歴史を感じさせる建物がある。それが「高橋孫左衛門商店」だ。創業400年を迎えるという渋い店内には、粟飴・翁飴・笹飴・瑠璃飴など目にも鮮やかな飴が陳列されている。それぞれの飴には高田藩主や明治天皇、東海道中膝栗毛の十返舎一九や夏目漱石にまつわるエピソードがあったりと興味深い。
春限定の商品や日持ちのするものなど色々あるが、今回は黄金色に輝く粟飴を選んでみた。娘や息子が言うには、小学校の給食に粟飴が塗られたパンが出てくると言うからだ。「厚切りのトーストがお勧めです」と言われ、早速調理してみた。とても上品な甘さのシューガートーストが完成してしまった。
時代の流れとともに町並みも変わりつつあるが、最古の飴屋と言われる同店の味は、伝統的な温故知新の味だ。お花見のお土産と城下町の雰囲気を楽しみがてら、ぜひ立ち寄ってみてほしい。混雑している時は、WEBでも購入することが可能だ。昨年紹介した地元のソウルフードとも言うべき「スルテン(日本海でとれたスルメイカを一夜干しにした、通称“一夜干しスルメ”を天ぷらにしたもの)」と共にぜひご賞味あれ!