■富士山や南アルプスを望む絶景の稜線歩き
「山小舎 福ちゃん荘」から大菩薩峠まではおよそ1時間かかる。大菩薩峠には山小屋「介山荘(かいざんそう)」があり、軽食や飲み物、お土産品が販売されている。
大菩薩峠からの稜線歩きは、今回紹介するルートで一番の見どころといえる区間だ。
大菩薩峠から大菩薩嶺までは45分ほど。その間は樹々が少なく、見晴らしのいい稜線歩きが続く。天気がよければ富士山や南アルプスを望むことができ、甲府の街並みと一緒に大パノラマを楽しみながら歩ける。道中、休憩しやすいスペースも多くあるので好きな場所で景色を楽しんでほしい。
とにかく見晴らしのいい区間だが、足元への注意はしっかりとしたい。危険を感じるような場所はないが、ゴロゴロとした岩があるので浮石などに気をつけよう。
■目的地の大菩薩嶺は眺望なし。記念撮影をしたら下山しよう
今回のルート最高地点である2,017mの大菩薩嶺は眺望がなく、樹林帯の中にひっそりとある。そのため、何度も訪れている人は大菩薩嶺の標識があるところまでは行かず、「雷岩」の分岐点から唐松尾根を使って下山する人もいる。筆者が訪れた時に出会ったハイカーも大菩薩嶺には行かずに下山していた。
眺望はなく標識があるだけだが、分岐点から10分もかからずに到着できるので初めての人は記念に訪れてみてほしい。
唐松尾根を使って下山すれば上日川峠までは1時間20分ほどで到着する。時間に余裕があれば、稜線を引き返し、景色を楽しみながら大菩薩峠経由で下山するのもいいだろう。
■交通規制情報と天気予報にはくれぐれも注意を
林道上日川線の規制解除は4月26日を予定しているが、天候や積雪の状況によって延期になる可能性もある。出発前に交通規制の状況を確認してから出かけてほしい。
本格的な春の訪れとなる4月だが、大菩薩嶺は標高2,000mを超える。雪がなくても気温はまだまだ低いので、防寒対策をしっかりとして景色を楽しんでもらいたい。
〈登山ルート〉
上日川峠⇒(25分)⇒山小舎 福ちゃん荘⇒(1時間)⇒大菩薩峠⇒(45分)⇒大菩薩嶺⇒(1時間)⇒山小舎 福ちゃん⇒(20分)⇒上日川峠