■この春、編集部が厳選した15座に登る！
春から秋にかけては絶好のトレッキング日和が続く。「週末天気が良さそうだから、登りに行こう」「行くなら百名山でしょ」「できれば日帰りでサクッと」こんな声にお応えして企画したのがこのガイド。
ご存知のように百名山は登山家で随筆家の深田久弥が、自身が登った日本の山に対し、自身が決めた基準（山の品格、歴史、個性、それに標高1,500ｍ以上の高山）から100山を選んだもの。百名山は全国に分布しているが、ここでは首都圏から日帰り、あるいは一泊圏内で行けそうな山をチョイスした。首都圏近郊というだけであれば、ざっくりではあるが28山ほどは数えられるが、編集部では土日週末を使って比較的やさしく登れそうな百名山をさらに絞り込んだ。今回シリーズで取り上げるのは関東と甲信地方にある合計15座。
これらは「ロープウェイなどが使えて取りつきポイントまで行きやすい」「行動時間が比較的短い」「ルートに荒れた道が少ない」「山小屋など施設が充実している」「絶景が楽しめる」という部分にこだわり、初級者を誘っても大丈夫そうな山を優先チョイスとした。よって知名度が高くとも選択されてないものもあるのであしからず。
多くの百名山を攻略したいならまずはここから。春から夏にかけて、週末ごとに一山ずつ攻略してみるのはいかがだろう。
■大菩薩嶺（だいぼさつれい）
□歩行時間：2時間30分 □技術レベル：★☆☆☆☆ □体力レベル：★☆☆☆☆
●ここがオススメ！
1. 稜線からみる大パノラマ
2. スタート地点の標高が高いからラクに登れる
3. 麓には山小屋もあって、前泊可能
【DATA】
・山名 ： 大菩薩嶺
・登山口 ： 上日川峠
・歩行時間 ： 2時間30分
・料金 ：なし
・距離 ： 7.1km
・高低差 ： 473m
・水場 ：なし
・トイレ ：あり
・山小屋・茶屋 ： あり
・問い合わせ ： 甲州市観光協会（0553-32-2111）
・駐車場：上日川峠駐車場。無料
●概要
山梨県北東部に位置する大菩薩嶺（2,057m）は初級者から上級者までが様々なバリエーションルートで楽しめる人気の山だ。ロープウェイなどはなく、標高はそこそこ高いながらも、車で1,600m付近まで上がれるので、登行を少なく高度ある山歩きが楽しめるのも多くの登山客が訪れる理由の一つだ。
山頂は森の中にあり、展望はないものの、大菩薩峠先の稜線からは南西に富士山が正面にそびえ立ち、西に甲府盆地が広がるまさに絶景が望める。甲府市街の先には南アルプスが一望でき、日本の標高第二位を誇る北岳まで見通せる。さらに北に向けば八ヶ岳も望めて抜群の展望だ。ここの峠はかつて武蔵（東京）と甲斐（山梨）を結んでいた歴史ある峠と相まって、訪れる登山客の浪漫を掻き立てている。
