■神奈川県・JR湯河原駅から登る城山
続いて紹介するのは、神奈川県湯河原町にある城山(しろやま)だ。JR湯河原駅から登山を開始できる。
山頂からは相模湾を一望でき、天気がよければ伊豆大島を見ることができる。城山は標高563mと高くはないが、見どころは多い。幕山公園(まくやまこうえん)に下山すれば約4000本もの「梅の木」が植えられており、2月上旬から3月の中旬にかけて梅の花を楽しむことができる。
幕山公園へ下山するならぜひ立ち寄りたいのが、しとどの窟(いわや)だ。しとどの窟は、鎌倉幕府の開祖・源頼朝が1180年に石橋山の戦いに敗れ、平氏から身を隠したと言われる洞窟で、大きな岩の下には土肥椙山観音像群(どいすぎやまかんのんぞうぐん)と呼ばれる20体以上もの石仏が並ぶ。
湯河原駅から城山へ登り、幕山公園を経て湯河原駅に戻るルートはなかなか歩きごたえのあるコースだが、見どころが多く、楽しく歩けるだろう。
●【MAP】JR東海道線・湯河原駅
■東京都・京王線高尾山口駅から登る高尾山
最後に紹介するのは、東京都八王子市にある高尾山。標高599mの山で、古くから修験道の霊山とされてきた。天狗が存在していた伝説があり、役行者による大火渡りや滝修行で知られる文化財を有する高尾山薬王院(たかおさんやくおういん)が山腹に鎮座している。
「花の百名山」や「関東百山」、「日本百低山」などに選定され、ミシュラン観光ガイドで三つ星を獲得するなど国内外から人が訪れる人気の山で、登山アプリ「YAMAP」によれば、関東エリアで2023年に「登られた山」で第1位となっている。
山頂エリアにはいくつもの茶屋やお土産屋があり、軽食や飲料を購入できるほか、ケーブルカーを利用すればファミリーでも訪れることができるので、多くの観光客やハイカーで賑わっている。
高尾山口駅から山頂を目指すルートは3本あるが、おすすめは人気の1号路ではなく6号路。比較的空いていて、ゆっくりと山歩きを楽しみながら山頂を目指せる。
下山はケーブルカーを利用してもいいし、稲荷山コースから下山するのもいい。体力と時間に余裕のある人は「関東ふれあいの道」を周回するルートや、隣の小仏城山(こぼとけしろやま)に寄り道するルートもありバリエーションは豊かだ。
●【MAP】京王高尾線・高尾山口駅
■たまにはアクセスのいい山に登ろう
駅からすぐ登山を開始できるのは、バスの時刻を調べたり、乗り継ぎにかかる時間や体力のロスが少ないのが魅力だろう。
電車とバスを乗り継ぎ、大自然を満喫しに行くのもいいが、たまには駅からすぐ登山を開始できる「駅近」の山も悪くない。