登山の醍醐味といえば大自然の中を歩くことだろう。自然の中に身をおくことで癒されたり、なかなか見ることのできないスケール感の景色を楽しんだりすることができる。

 だがそのためには電車とバスを乗り継ぎ、時間をかけて登山口に行かなければならない。今回は駅から0分で登山を開始できる「駅近」の山を3つ紹介したい。

■神奈川県・JR東逗子駅から登る鷹取山(別名・湘南妙義)

 はじめに紹介するのは鷹取山(たかとりやま)。神奈川県横須賀市と逗子市にまたがる標高139mの山で、JR東逗子駅からスタートし、神武寺(じんむじ)を経て鷹取山山頂を目指すルートだ。

神武寺へと続く登山口

 鷹取山はかつて石材の採掘が盛んだった場所であるが、関東大震災を境にコンクリートが一般化されたことで石材の採取は衰退、その名残として切り立った岩山がいくつもある。

山頂エリアにはクライミングができる切り立った岩がいくつもある

 鷹取山は別名「湘南妙義(しょうなんみょうぎ)」と呼ばれており、切り出した岩山の容姿が群馬県の名峰・妙義山(みょうぎさん)に似ていることからそう呼ばれるようになった。妙義山は群馬県にそびえる山で、急峻なピークがいくつもあるのが特徴だ。

 標高が139mほどの鷹取山だが、山頂からは横須賀の街や、みなとみらい、房総半島まで見渡すことができる。

山頂エリアから望むみなとみらい方面。街が近く、新鮮な感覚を味わえる

 山頂から追浜駅方面へ15分ほど歩いたところに大岩から削り出した「磨崖仏(まがいぶつ)」の弥勒菩薩尊像(みろくぼさつそんぞう)がある。

磨崖仏の弥勒菩薩尊像

 下山は東逗子駅に戻ってもいいが、京急本線追浜駅や田浦駅へと延びる登山道もあり、帰りの利便性を考えて下山ルートを選択したい。

●【MAP】JR横須賀線・東逗子駅