■夕方からは雨予報。終了間際になんとか本命をキャッチ

ハクレンとファイト中の様子

 ハクレン釣りでまずやらなければならないのは、エサを使ってハクレンを寄せ集めること。この釣りはハクレンがいるポイントを探すのではなく、ハクレンが集まるポイントを釣り人自身が作るところに特徴がある。

 ピンポン玉サイズに丸めたエサのマッシュポテトにハリを埋め込んだら、仕掛けをポイントに静かに投入する。すると水中でマッシュポテトが次第に溶けていき、2~3分でハリから無くなる。このハリにエサが付いていない状態のことを「エサ落ち」といい、水面から出ているウキの目盛り(位置)でエサ落ちを判断する。

エサのマッシュポテトの付け方。ハリが見えなくなるように包み込む
ウキは魚のアタリを見るだけでなく、エサの残り具合を見るためのもの

 この後はハリにエサを付け直して再び投入する訳だが、その際に前回投入した地点と同じ場所にピンポイントでエサを投入する。同じ場所に何度も繰り返してエサを投入することで、そこに多くのハクレンを集めることができるのである。

 川の流速が速い場所だとエサが流れてしまい、ハクレンを一か所に集めるのが難しくなる。このためハクレンを集めるポイントとしては、水の流れが無いような場所を選ぶのがよいだろう。

 当日は予想していたよりもハクレンの寄り(集まり)が悪く、エサ打ちを2時間続けてやっとウキに変化があらわれるようになってきた(ハクレンが集まってきた)。しかし、エサに集まってくるのはハクレンばかりではなく、他の小さな魚もいるようでアタリの見極めが難しい。小さなアタリはすべて無視して、ウキが「ツン」と縦に大きく動いたアタリだけを積極的にアワセていくようにした。

 そして、釣りを開始してからおよそ4時間後の午後1時過ぎに、ようやく本命のハクレンがヒットした。この日は午後から雨予報が出ており、そろそろ帰ろうかと思っていた矢先の幸運だった。

 久しぶりに味わうハクレンの引きはとても強烈だった。ジャンプなどはせず派手さはまったくなかったが、強くて重たい引きが延々と続いた。

 ちょうど干潮の時間帯になり、水位がとても低く、立ち位置から水面まで2m以上の高低差があった。このため取り込みにはかなり苦労したが、なんとか無事にネットにおさめることができた。釣りあげたサイズは86cm。ヒットからネットインまでに要した時間はおよそ10分だった。

長い柄のランディングネットが無かったらハクレンを取り込むことはできなかっただろう
これが荒川のハクレン(86cm)。下に敷いているのは魚を傷つけないための釣り用マット
顔を見るとまったく別の生き物。実に愛嬌のある顔立ちだ

■これから春に向けてより釣りやすくなる

これから春になるとハクレンはより釣りやすくなる

 今回筆者は午前9時から午後2時までハクレン釣りを楽しんだ。結果として1匹しか釣れなかったが、アタリは何十回とあった。この釣りに慣れた人ならもっと上手く対応できたのだろうが、ハクレン釣りのアワセの難しさを痛感した一日となった。

 ハクレンは温かい水を好む魚。これから春に向けて水温が上がってくると活性がどんどん上がってくる。エサをよく食べるようになるので、冬よりももっと釣りやすくなるだろう。

 ただし、エサをよく食べるということはハクレンの体がより大きく、重く、力強くなり完全体に近づくということ。生半可なタックルで釣りに挑むと痛い目に合うかもしれない。これからハクレン釣りに挑戦しようと思っている方は、この点を肝に銘じておくといいだろう。

●【MAP】荒川