■タイガースにちなんだおみくじを

 神様は懐が深い。ここまでくれば、野球の神様もきっと引き受けてくれている!

神社の奥にすぐ甲子園が見えるんだもの。必勝祈願したくもなる
摂社の種吉稲荷神社の横にある絵馬所には、阪神タイガースの監督、岡田彰布氏の揮毫(きごう)による「野球塚」がある
阪神タイガース絵馬、ベース絵馬、野球のボール絵馬が揃う。御守りも勝負運のお守りが充実

 おみくじも、タイガースにちなんだ「虎みくじ」と、野球のボールの型をした「夢ボールみくじ」が売られている。買わねば!

 果てしなく招き猫寄りの虎みくじも可愛いが、やはりここは、2003年に阪神タイガースをリーグ優勝に導いた闘将、星野仙一氏の揮毫(きごう)による「夢」という字が力強い「夢ボールみくじ」をチョイスすべきだろう。

「虎みくじ」500円、「夢ボールみくじ」500円

 ハードボイルドな字の勢いが、心の奥に眠っていた勝負魂を覚醒させる。生ぬるい結果はいらない。「大吉」か、いっそ「凶」、どちらか両極端でお願いします――。

 いざ、オープン!

おみくじ。陶器のなかに入っているタイプのおみくじは、超固く丸めて入っているので、伸ばすのに一苦労である

 カキーン(ホームランの音)!「大吉」である! しかしついつい「夢」の文字の影響で、星野監督の、あの強気MAXな口調と声で喝を入れられているように、脳内再生してしまう。

 「色や酒に溺れるな オリャー!」

 「学問! 安心して勉学せんかい ボケ―ッ」

「争事! 価値退くが利ーリーリーリー!」

「相場! 買っとばせーッ」

 おみくじには書いていない言葉まで勝手に聞えてきて、非常に背筋が伸びました……。

 とても青空が似合う、気持ちのいい場所、素戔嗚神社。甲子園100周年の8月、また訪れたい。