■ 2:フィンランド式サウナ

 サウナストーブの上で熱したストーンに水をかけ、発生した蒸気で温度と湿度のハーモニーを楽しむ本来のサウナスタイル。このスタイルが広く浸透したことで、「あれ?  サウナって息苦しくなくて、むしろ気持ちいいんじゃん!」と気づかれたことも、昨今のサウナブームの一因だ。

 ちなみに同じフィンランド式といっても、熱源の違いでさらに4種類に分けられる。日本の施設はほぼ電気式、ガス式、オイル式で、アウトドアサウナでは薪が使用される。それぞれ熱の伝わり方が違い、薪がもっとも肌あたりの良い柔らかな熱を感じることができる。

 1も2もどちらも同じ「乾式サウナ」に分類されるが、その見分け方は、1は熱源が電気、ガス、オイルでロウリュ禁止の高温(90〜100℃)低湿度なもの。2は熱源はどれでもいいが、ロウリュありきで蒸気を発生させて80℃近辺の高湿度のものである。

セルフロウリュ可能なサウナも増えてきた。ここからサウナの魅力にハマる人多し

■ 3:スチーム・ミスト式サウナ

 湿式サウナ。温度は40℃前後と低温で、飽和状態となった蒸気のみで体を温めるもの。

 フィンランドの乾式サウナと同じく、世界中で長い歴史があり、日本でも奈良時代からスチームサウナは存在する。乾式サウナが体感温度を上げて発汗を促し、心身不調の回復を目的としているのに対して、こちらは湯船の代わりに飽和蒸気で全身を潤して体の芯から温まることを目的とされている。

 純粋に気持ちいいし、高温が苦手な人は好きな人が多い。本質的にはサウナとは別物と思ったほうがいい。

江戸時代から続く日本古来のスチームサウナ(薬草樽蒸し)。岐阜県の田辺温熱保養所にて 

 上記3つの種類の他に、「エロフィン放熱式」「遠赤外線式」「オンドル式」「石風呂」など、サウナにはまだまだ多様な種類があり、それぞれに特徴がある。しかも楽しみ方のスタイルにもいくつか種類があり、発汗・防臭・美肌を促す「塩サウナ」や、漢方の効能と香りを楽しむ「薬草サウナ」、マイナスまで冷やした部屋でクールダウンする「アイスサウナ」など、じつに多種多様な楽しみ方が存在する。