■巨大な湖の上に道路? お城?
せっかくイエローナイフまで足を運ぶのであれば、オーロラだけでなく日中もアクティブに活動してみてはいかがだろうか。
イチ押しは犬ぞり。今でこそイエローナイフの移動や、資材運搬は車が主流であるが、かつてこの地域の先住民は犬にソリを引かせての移動が一般的で、日常的に犬ぞりが使用されていたのだ。
そんな犬ぞり体験は、現地の旅行会社の体験ツアーを利用するのが一般的。旅行会社によって若干異なるが、ツアーの時間帯はだいたい午後の半日なので、前日オーロラ鑑賞で遅くなっても、その日の夜にオーロラ鑑賞の予定があっても問題はない。料金は100カナダドル(約1万1000円)前後から。内容はグループでそりに乗るタイプや、マッシャーと呼ばれる犬ぞりの操縦士の体験ができるものまでさまざまだ。
昔からこの地域で受け継がれてきた犬ぞりは、日中に体験すべきアクティビティナンバーワンだ。
次におすすめするのは、期間限定で利用できる道路「アイスロード」。イエローナイフはグレートスレーブ湖という、世界で10番目、琵琶湖の5倍近くの大きさを誇る湖の湖畔にある街でもある。グレートスレーブ湖が冬の寒さで凍り、1月中旬から4上旬ごろまで(年によって多少前後する)人が歩くのはもちろん、車も通れる道路になってしまうから驚きだ。湖の上に降り立ち、車が行き交う不思議な光景をぜひ体験してほしい。
アイスロードまで足を運んだら、アイスキャッスルも見学してみては。札幌の雪まつりほどの規模ではないが、凍った湖(グレートスレーブ湖)の上に作られるお城の見学も貴重な体験になること間違いなしだ。日によって、城の中で映画が上映されたり、音楽会イベントなどが行われる。アイスキャッスルの公開は例年3月の約1か月間だが、建設中の様子は1月頃から見ることができる。
■氷点下20℃は当たり前の街
冬のイエローナイフの気温は、快晴の日中でもマイナス20℃前後が当たり前。日本にも北海道のごく一部など同じような気温になる地域もあるが、イメージは業務用冷凍庫。これがマイナス20℃前後なので、ずっとその中で活動すると思っていただければわかりやすいだろう。当然、夜の気温はもっと下がる。
そして「そんな気温に耐えられる防寒具なんて持っていない」といった声が聞こえてきそうだが、旅行会社のツアーでは、防寒具レンタルが含まれていることも多いので、その辺はご心配なく。
“人生に一度見てみたいもの”のひとつにあげる人も多い神秘の現象「オーロラ」。そんなオーロラを見にイエローナイフまで足を運んだ際には、日中は極北の地域ならではの経験をしてみてはいかがだろうか。