素敵な旅を彩るひとつの要素「食事」。他の場所にはない“その一皿”を食べるためにでかけてもいい。今回は各地のガイドやカメラマン、グルメスキーヤーから聞いた情報をもとに、この冬食べにいきたい料理を紹介する。
■「Restaurant I'Hirosshe」/ 新潟県 南魚沼
●わざわざ訪れたい山のなかのイタリアン
ふもとから車で5分ほど山道を車で走らせた場所にある「レストラン イ・ヒロッシェ」は、隠れた名店と呼ぶにふさわしい店だ。周囲を山に囲まれた閑静な場所にあり、外見は看板がひとつ掛かっているだけで、一般的な住宅だ。しかし入口の扉を開けると、まるでイタリアの山岳リゾートを彷彿とさせた木の温もりが溢れる空間が広がっている。
地域の農家から直接仕入れるという野菜やトマトを使ったサラダ、パスタはもちろんだが、この店で食べたいのは店内の奥にある大きな窯で焼き上げるピザだ。なかでも、お店の看板メニューでもある「こだわりのビスマルク」は一度は食べたい料理のひとつ。
隣接する妻有地域のブランド豚「妻有ポーク」をふんだんに乗せ、さらに魚沼産コシヒカリを食べて育ったニワトリの半熟卵を落としたピザは見た目にも美しい。焼き上げた直後は豚肉の香ばしい匂いが湧き上がり、食欲をそそる。食べてみれば、甘い豚の脂とまろやかな卵の黄身が絡み合い、モチモチのピザ生地と相性抜群のトリオが生まれる。
思い出のスノートリップを特別な空間で過ごそう。
Restaurant I'Hirosshe(れすとらん い ひろっしぇ)
住所:新潟県南魚沼市小栗山2051-3
営業時間:ランチ11:30~14:30、ディナー17:30(平日18:00)~22:00 ※ディナーは前日までの予約制
定休日:不定休
料金:こだわりのビスマルク 2290円
HP:https://tsuku2.jp/i_hirosshe
■「旬菜料理 はたの」/ 長野県 飯山
●信州の旬な地産食材を歴史ある古民家で味わう
長野県の北部、雪深い飯山市の田園内にある「旬菜 はたの」は、築150年の古民家を改装した和食店だ。
数多くの美食が揃う北信地方にあり、地産地消にこだわった会席料理を提供している。完全予約制で、お昼は4400円、夜は5500円~ のコースが用意されており、旬のきのこや山菜、信州サーモンなど、その時期に採れる地元の食材をもとに、素材本来の味を引き立たせるため、最善の調理法にこだわっている。過度な味付けをしないので“本物”が味わえる。
なかでも寒い冬に食べたいのが猪肉を使用した「ぼたん鍋コース」だ。地元の猟師から3歳以下の品質の良いメス肉が手に入った時に連絡をもらい、食肉工場を通して仕入れている。若い猪肉は貴重で柔らかいのが特徴だ。たっぷりと乗った脂は豚肉よりも甘味があり、噛めば噛むほどジューシーな肉汁が溢れ出る。それをおかずに信州産のご飯をお腹いっぱいに食べる贅沢は他では味わえない体験だ。
日本の原風景ともいえる雪原のなか、古民家で味わう日本料理に心動かされない日本人はいないはず。
旬菜料理 はたの(しゅんさいりょうり はたの)
住所:長野県飯山市旭644
営業時間:11:30~21:00
※完全予約制
定休日:不定休
料金:ぼたん鍋コース 7150円
HP:https://kominka-washoku.com/
■「大法院」/ 長野県 白馬
●なめらかなそばと巨大なエビの天ぷら
長野県白馬村にあるそば屋「大法院」は、その道40年という店主が打つそばの味に“白馬にきたら必ず訪れる”というファンも少なくない。
製粉所と試行錯誤を重ねて、納得がいくものになるまでに10年かかった蕎麦粉は、小麦粉を使わなくてもなめらかな食感に仕上がる。一般的なそばにはホシと呼ばれる黒い粒状になった蕎麦の殻が入っているのが見える。これは蕎麦の香りが高くなるが、口の中でエグみになり強く主張しすぎてしまうのだという。「大法院」のそばはホシを極力無くしながら風味となめらかさを高めた、こだわりのそばだ。十割ながら、つるつるなのどごしに驚く。
美味いのはそばだけではない。天ざるを注文すると付いてくるエビの天ぷらは一度食べてほしい(単品注文もできる)。メキシコ産の「ブラウンタイガー」と呼ばれる大きなエビを使ってサクッと揚げており、噛んだ瞬間の肉厚でぷりっぷりの食感が衝撃的。このエビの天ぷら目当てで訪れるお客さんもいるのだとか。
この冬、大法院を目指してハクババレーを訪れるのも旅行計画のひとつに入れたい。
大法院(だいほういん)
住所:長野県北安曇郡白馬村塩島13478-1
営業時間:11:00~21:00
定休日:水曜日
料金:天ざるそば 2200円
HP:https://tabelog.com/nagano/A2005/A200503/20001404/